もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

2023-01-01から1年間の記事一覧

「ほの蒼き瞳」で1830年代のドレスの素敵さと夜の暗さで冬を実感

ネットフリックスの映画って今まで馴染めないものが多かったのだけど、これは個人的にしっくり来た。 【大判】映画ポスター 海外版 ほの蒼き瞳 (68.5 cm x 101.5 cm) APMPS-GB89365 [U.S. Made Poster] アメリカンプレミアム Amazon 「陸軍士官学校の死」と…

「パール」と「X」は人の感情を爆発させてむき出しにしたいろんな意味でエロくてグロいレトロホラー

映画館で予告を見た時から「見に来るぞ」と決意していたのに、上映期間があまりにも短くて、気が付けば終わっていた映画。「X(エツクス)」の続編ということで、しっかりそちらも見て気合入れていたのに。 Pearl パール [DVD] ミア・ゴス,デヴィッド・コレン…

臨場感たっぷりの師匠の面白トークが聞ける「まくら」

〝まくら〟とは落語の本題に入るまえに話してくれるお話のこと。挨拶でもあり雑談でもあり、本題に入っていきやすいようにお客さんの心をつかむ楽しいトーク。 ま・く・ら (講談社文庫) [ 柳家 小三治 ]価格: 764 円楽天で詳細を見る そのまくらばかりを集…

時代物怪談が怖いという長話と「数えずの井戸」

古典的な日本の怪談が怖い。幼い頃、怖い話をせがんだ姉弟に父親が話したのはいきなりの四谷怪談だった。内容どうこうよりも、お岩さんの怖さは壮絶だった。 加えて、じいちゃんばあちゃんの家のテレビでしょっちゅうかかっていた怪談ドラマも凄かった。毎回…

小説と映画で「64」の世界再び!

この映画が公開されたのが2016年ということで、もう7、8年くらい前になるのだけど、出演者の顔ぶれがとにかくすごいので、見たいとは思っていた。 64-ロクヨン-前編 通常版DVD 佐藤浩市 Amazon 見よう見ようと思いつつ、その前に原作を再読しておさらいをし…

孫と遊びたいがために仕事を辞めたいFBIの特殊捜査官「ブラック・ライト」

ここんとこほんわか映画やドラマばっかりみていたので、脳がスピーディーで迫力のあるものを欲しだした。 ブラックライト リーアム・ニーソン Amazon 今年公開されたリーアム・ニーソンのアクション映画。リーアム・ニーソンといえば、「トレイン・ミッショ…

切なさと気持ち悪さと爽やかさを残すSFホラー「クロニクル」

ずっと以前に見て面白かったという記憶があるので、久しぶりに見てみると、やっぱり面白かった。 クロニクル (字幕版) Michael Jordan Amazon 当時ホラーという認識で見たのだけど、どちらかというとSFで超能力もの。この映画はカメラ目線のモキュメンタリ―…

キャラクターだけで腹いっぱい!刑事ドラマ感に溢れた「リバー」

1人1人のキャラクターが強烈なので、頭の中で俳優さんとか有名人を当てはめて読んでいくと楽しい。 リバー (集英社文芸単行本) 作者:奥田英朗 集英社 Amazon リバーとは栃木県と群馬県を流れる渡良瀬川。その河川敷で若い女性の死体が発見される。 十年前…

どんな決断をくだすのか「ウーマン・トーキング」

まさに題名どおり女たちが話しているだけの映画、ということでいったいどんな感じなんだろうと見てみた。 ウーマン・トーキング 私たちの選択 ケイト・ハレット Amazon テーマは閉鎖的なコミュニティ、女性蔑視、そして性暴力。重たいテーマ満載でありながら…

繰り返される戦いの虚しさが予想以上にずっしり来た歴史「トロイ」「新少林寺」

世界中戦いだらけで、ほんと心底嫌になりますが。たまたまこの映画を見た直後に、ハマスによるイスラエルへの攻撃が起きて、戦いの虚しさとか、何前年たっても変わらない人の愚かさとか、今この瞬間も歴史の一部であること、トロイや少林寺で死んでいった兵…

ワニの恐怖より日本人にはリアルな恐怖「クロール 狂暴領域」

サメやらワニやらのパニックホラーは、単純明快な食われる怖さ。でもそこにプラスアルファが加わると、見ごたえのあるストーリー展開になる。 クロール ―凶暴領域― [DVD] カヤ・スコデラリオ Amazon 夏に見たロストバケーションは、サメとの戦いもさることな…

眉間にしわ寄せて自給自足に挑むいち子が良い「リトル・フォレスト」

以前に夏秋バージョンを見てから、そのうち冬春バージョンも見なければと思いつつ、月日がたって、今ようやく見た。 リトル・フォレスト 冬・春 三浦 貴大 Amazon 夏秋を見たのが、リアルに夏だったこともあり、案にたがわずいろんなことをしたくなって、い…

予想外なサスペンス感「エクソシスト3」と「ザ・ライト エクソシストの真実」

今年の夏にミーガンの予告でヴァチカンのエクソシストを見て、面白そうだったので見に行く予定だったのだが、気が付くと公開期間が終了していた。短! その腹いせではないが、エクソシスト系の映画を配信で立て続けに見た。と言いつつも、元祖エクソシストも…

「バーレスク」という店でおしゃれなショーを見せてもらった

ここ何年か、ディズニー以外のミュージカル映画を見ていない。嫌いじゃないのに見る気がしなくて。だからあの「ラ・ラ・ランド」すら見ていない。 映画配信でも無意識に素通りしていたのだけど、迫力のある歌声に手が止まった。もちろん題名は知っていたけど…

おしゃれでかわいいホラー「ラストナイト・イン・ソーホー」

おしゃれでかわいいホラー・サスペンスといっても、そこはやっぱりホラーなのでラスト近辺はなかなかスラッシャーだけど。 ラストナイト・イン・ソーホー [DVD] トーマシン・マッケンジー Amazon デザイナーを夢みてイギリスの田舎町からロンドンにやってき…

脳が暴走するとこんなにカッコよくなるのか「LUCY/ルーシー」

アクション映画だとずっと思っていたが、SFだった。アクション付きの。 LUCY/ルーシー (字幕版) スカーレット・ヨハンソン Amazon 冒頭いきなり、スカーレット・ヨハンソン演じるルーシーがホテルの前で男と口論している。怒りで喚きちらしながらも仕方なく…

ジャンプスケアも薄気味悪さもそなえた「スマイル」

なんとも薄気味の悪いホラー映画でした。 スマイル Sosie Bacon Amazon 精神科医のローズは、ある若い女性患者を診察する。彼女は始終取り乱していて、普通の人には見えない人物たちが見えると怯えていた。 しかもその人物たちはみんなゾッとする笑いを浮か…

楽しかったあ!お腹が空いたあ!「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」

この映画空腹状態で見ると死ぬなぁ。特にチーズトロトロのサンドや肉好きには。 シェフ 三ツ星フードトラック始めました (字幕版) ジョン・ファヴロー Amazon 有名レストランの料理長だったカールは、自分の作りたい料理を作ろうとして、オーナーと衝突しク…

斬新すぎて笑いながら高評価「ジェイソンX13日の金曜日」

子供の頃、初めてばあちゃんの家で「13日の金曜日」を見て以来、すっかりジェイソンの虜になってしまい、新作がテレビで放送されるたびに欠かさず見てきたが、次第に飽きてきた。 この手のスラッシャーホラーはワンパターンなので仕方ないが、その元祖ともい…

ワンパターンのホラーの続編を覆す「エスター ファースト・キル」

劇場で見ようと思っていながら見逃した。早々映画配信に飛びつく。 予想では同じキャストでは無理があるのではないか。前作の終わり方が続きっぽいので、そこからまた新たな狂気と悪事が始まり、結局同じパターンなのではないか。 エスター ファースト・キル…

海の美しさと怖さの臨場感たっぷり「ロスト・バケーション」

猛暑続きの毎日で家にこもりがちな中、せっかくなので夏のバケーション感を感じさせてくれる映画を見ようと選んだのがこちら。 ロスト・バケーション [DVD] ブレイク・ライブリー Amazon サメに襲われる映画なので、内容は全然爽やかではないが、特筆すべき…

「ザリガニの鳴くところ」シンプルだけど濃密な文学ミステリー

小説には無い映画の良さは、その時代の雰囲気を視覚的に楽しませてくれること。1960年代が舞台ということで、レトロなファッションが新鮮だった。主人公が着ているワンピースやシャツの小花柄がかわいい。 ザリガニの鳴くところ (字幕版) デイジー・エドガー…

SFみたいな特殊設定のミステリー「方舟」

しっかり「やられたあ!」感を満足させてくれたミステリー。 方舟 作者:夕木春央 講談社 Amazon 軒並み評価の高い作品だったので、期待値を上げ過ぎないように挑んだが、それでもしっかり楽しませてくれた。 外からの往来が絶たれた状況で事件が起きるクロー…

「完璧な家」でラストはざまあみろという気持ちになる

読んだとたんに「これは絶対映像化されるな」と思ったサイコサスペンス。 完璧な家 (ハーパーBOOKS) 作者:B・A・パリス ハーパーコリンズ・ ジャパン Amazon ジャックとグレース夫妻の家で催されたホームパーティーの場面から物語は始まる。弁護士でハンサム…

じじばば予備軍も要注意の「じじばばのるつぼ」

帯に書かれている「TPO無視時事」「レジで世間話ばば」などの目次だけで、どういう本なのかわかる。しかも群さんのエッセイだ。面白くないわけがない。 じじばばのるつぼ (新潮文庫) 作者:群 ようこ 新潮社 Amazon 予想通り、ちまたに溢れる困ったじじばばや…

こんな凄い80代「インディージョーンズと運命のダイヤル」

ハリソン・フォードのラストインディージョーンズということで、これはぜひ見届けないといけないだろうと、夏休みになる前に早々見に行った。 インディ・ジョーンズと運命のダイヤル (オリジナル・サウンドトラック) Walt Disney Records Amazon 一般的な老…

自分らしく生きていいんだなと感じさせてくれた「アメリ」と「土を喰らう十二ヶ月」の日常

アメリは小ジャレた女性が好きなイメージだったので、絶対合わないだろうなあと思って気になりつつも見なかった。 で、この年になってようやく鑑賞して、それはそれでよかった。 アメリ [Blu-ray] ジャメル・ドゥブーズ Amazon フランス映画は途中で寝てしま…

読みだしたら止まらないというのは嘘じゃなかった「彼は彼女の顔が見えない」

またまた謎かけのような題名で。前作「彼と彼女の衝撃の瞬間」同様、特にストーリーとは関係ないんじゃないかと思ったが、「ああそういうことか」とすぐにわかった。彼は相貌失念という脳の障害を持っていて、人の顔が認識できないのだ。 彼は彼女の顔が見え…

人生で見逃さないでよかった映画part3「ゲーム」

見たのか見てないのか曖昧な映画の1つ。 あらすじを読むと、見たような気がするし、マイケル・ダグラスが主演の感じも記憶にあるようなないような――てことでちゃんと見てみることにした。 ゲーム ユニバーサル思い出の復刻版 ブルーレイ [Blu-ray] マイケル…

「M3GAN/ミーガン」を堪能してきました!

公開中の映画「M3GAN/ミーガン」を見てきました。チャイルドプレイみたいな映画なのかと思っていたが、さすがAI、おもちゃを超えた。 M3GAN (Blu-ray + DVD + Digital Code) Unbranded Amazon 友達として遊び、教育係としてしつけをし、姉妹のようにいつもい…