もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

インシディアス序章ではじまる怪談的ホラー

インシディアス序章

前二作に続いての三作目になるが、物語はずっと以前にさかのぼる。霊能者エリーズがまだ、一人で仕事をしていた頃の話。

この作品で相棒のおまぬけ(ほとんど役にたたないけど、少しだけ役にたったり、暗さの中にいい空気を流してくれるからいないと困る)コンビと出会うという設定が楽しい。

 

 

インシディアス 序章 (字幕版)

インシディアス 序章 (字幕版)

  • 発売日: 2016/01/27
  • メディア: Prime Video
 

 

亡くなった母と交信したいと、女子高生のクインがエリーズの元を訪れる。「ママが側にいるような気がする」と寂しげに言う彼女に同情したエリーズは、引退しているにも関わらず協力することになる。

エリーズは母親に会いたいと願う彼女を危ぶんでいた。ここで出てくる宣伝コピー。「気をつけて。一人に呼びかけるとすべての死者に聞こえてしまうから」

エリーズには見えていた。彼女に忍び寄る母親とは違うややこしい奴を…

 

今回は前二作と比べて、仕掛けは地味に感じるが、怖がらせ方が不意打ち攻撃多しのような気がする。というか見すぎて慣れてきただけかな。なんといっても死霊館インパクトが強かったので。

インシディアスシリーズと死霊館シリーズが頭の中でけっこうごちゃまぜになってきている。両方のシリーズを通して、すごく印象に残るのが“音”の持つ怖さ。

死霊館一作目の手拍子は壮絶に怖いし、今回はクインが隣人の青年に合図を送るために壁を叩くコンコンという音。化け物も幽霊も出てこないのに、かなり怖い場面。

ジェームズ・ワン監督の作り出す独特の“間”とか“空間”の怖さ。どうしても目がいってしまう暗闇や廊下の奥なんか、もうフラグ立ちっぱなし。しかもそれを裏切ってくるからまた憎たらしい。「出ーへんのかい!」と突っ込んだとたんのバーン! 

 

 そこに音の効果が組み合わさって作られる恐怖は、とても東洋的。ホラーというより怪談ぽい。

ハリウッド的殺人鬼ホラーは面白いけど怖くはない。正直パラノーラアクティビティにも怖さを感じないホラー映画ファンなので、監督が作り出すこれからの怪談ホラーのご活躍と進化、いちいち期待してます。