もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

「ユージュアル・サスペクツ」でどんでん返される

最近みたどんでん返しの映画は「ピエロがお前を嘲笑う」で、ラストの「えー!?」の爽快感を味わわせてくれたが、先日見たこちらの映画もどんでん返しが売りだけあって、なかなかのものだった。

冒頭唐突にクライマックスから始まる。船の上で逃げまわり、とうとう追い詰められる男、そして拳銃を突き付ける顔の見えない謎の人物。追い詰められた男の側にはすでに死体が一つ転がっている。

覚悟を決めたかのようなやりとりの後、カメラは遠方からのカットになり、謎の男が拳銃を発射する映像。しかし撃たれた男はそこでは映っていない。本当に撃たれたのか、ここで謎を提起したしたまま、映画は始まる。

突然港で炎上した船には、殺された死体が幾つも見つかった。焼け焦げていて身元を探るのも困難な状況。その中で生き残った男が一人、彼が警察で語った告白がこの映画のストーリーになっていく。

ことの始まりは、ある強奪事件の容疑者として五人が警察に引っ張られる。彼らは筋金入りの悪ばかり。結局証拠もないまま全員放免されるが、この五人が知り合ってしまったことが、新たな騒動に発展してゆく。

実は生き残って警察で証言しているのは、この中の一人。彼のいうところによると、釈放された五人は宝石強奪事件を起こし、それを売りさばこうとして麻薬絡みの事件に巻き込まれてしまう。成り行きで殺人まで犯してしまい窮地にたたされた彼らの前に、伝説のギャング「カイザー・ソゼ」の弁護士が訪ねてくる。やることなすこと裏目に出て、転がるようにラストの船の上へとなだれ込んでいくのだが…

見始めた時「これは着いていけるかな…」と不安になるほど、複雑な状況だったのだけど、中盤にさしかかり「カイザー・ソゼ」の存在が見え始めたとたん、俄然おもしろくなってくる。裏で事件を操っているはずの人物は、実は実在している人間なのか、それすらもあやふやな中で、伝説のギャングの凶暴性だけが強調されていく。

映画は時々、現実の警察での場面に戻る。生き残った男は異常に怯えていて、船の上で仲間を撃った謎の人物は「カイザー・ソゼ」だと証言する。しかし顔は見えなかったと…

いったい「カイザー・ソゼ」とは何者なのか? 船の上の事件とはいったい何だったのか?

正直、どいつもこいつも怪しく思えるので、ラスト正体が明かされた時も当たる確率はかなりある。ただ、本当のどんでん返しは別のところにあった。それがわかったとたん唖然としてしまう。

いったい自分たちが見ていたのは何だったのか? 物語が根底からひっくり返される面白さを味わわせてくれる映画だ。

 

 

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