「評価あんまり高くないけど、ジェイソン・ステイサムがひたすらサメと戦う映画。見る?」
と、DVD鑑賞を誘われたので、
「それは見たいなあ」
と観た。
題名の「ザ・メグ」は、メガロドンという太古の昔に生息していたといわれる巨大サメ。
上海の海洋研究所で行われていた海底調査の探査艇が、巨大生物に襲われ破損。浮上できなくなる。
助けを求めたのが元レスキュー隊員テイラー(ジェイソン・ステイサム)。
テイラーはかつての仕事で仲間を見殺しにしてしまったことがきっかけで精神異常扱いされ、引退してタイで暮らしていた。
救出を余儀なくされ、仕方なく向かった海の底で再びメガロドンと対面、その後壮絶な戦いが繰り広げられる。
ようするに、ストーリーは単純なのだ。けして笑う映画ではないのに、一つ一つの場面が“ザ・アメリカ”って感じで「あー、ありがちー」といちいち喜んでしまう。
隊員どうしのくだらない下ネタジョークとか、誤解し合っていた仲間との信頼復活とか、海洋研究所の娘との恋愛沙汰とか、たいして意味ないと思う元妻の存在とか。
ザ・アメリカが盛りだくさん。
なぜかわからないけど、それらがまた薄くて全然見ているこっちに響かない。だからキャラにいっこうに魅力を感じない。子供が出てくるんだけど、なぜか全然可愛げを感じない。
でもいいんです。目的はサメ対ジェイソン・ステイサムだから。
やっぱり強い!並みの人間じゃない!
船からロープでつながれた海の中でサメに襲われ、慌てて仲間が船を発進させるのだけど、普通の人間ならあのスピードで引っ張られたら死ぬ
やっぱりジェイソン・ステイサム!
一人乗りの船に乗り、深海で戦うステイサム、窮屈そう、あんまり強くない。
しかし船を破壊され、身一つになったとたん俄然強くなる
それでこそジェイソン・ステイサム!
最後はモリ一本で巨大ザメと戦う、もういにしえの漁師!
これぞジェイソン・ステイサム!
強さとは関係ないけど、笑った場面が、シャワーを浴びた後裸で部屋にいる時に、研究所の娘さんが入ってくる。恥ずかしがる娘さん、普通服着るなり隠すなりするだろうに、ゴリゴリの筋肉を見せつけるように胸を張ってそのまま対応するステイサム。
他のレビューでも多かったのがサメ映画なのに、そんなたくさん食われないということ。芋の子状態の海水浴場が襲われるのに、さほど血の海にはならないのですね。中国が舞台なので、全員中国人なのだけど正直この場面けっこうおもしろい。
中国とアメリカの合作映画ということでいろいろ納得。でもけっこう揶揄してるよなあって感じも出ていて、バブルの頃の日本を連想したりする。
とにかく、
確かにこれはステイサムの映画。
評価がどうとか関係ない。
ステイサムを楽しむ映画。
映画鑑賞の1つの形。