この映画の存在去年まで知らなかった。
日本未公開ということもあるのか、まったく自分の映画アンテナに引っかからなかった。
ジュードロウとジェイソンステイサムが共演しているスパイ映画なんて、絶対観ないと損でしょう!
ということで見ました。
正直、期待半分で、コメディを単純に楽しませてもらおうと思っていたのだけど、
面白過ぎた。
ジェイソンステイサムのバカスパイ振りは最高だったし、ジュードロウのナルシストスパイもぴったりだったたけど、それを上回ったのが女たちのインパクト。
CIAの分析官で内勤業務だったスーザンは、相棒を失うというきっかけから現場で働く捜査官、ズバリ!銃を片手に走り回る憧れのスパイになる。
核爆弾を手に入れようとする怪しげな奴らと、売ろうとする怪しげな奴らを相手に颯爽と戦うスーザンだが、ぽっちゃり系でテキパキできない、映画の中の女性スパイのようなカッコよさなんて微塵もない。
でも、そのスーザンがめちゃくちゃかわいくてカッコいい。
で、またすごく強い。銃よりも格闘がすごい。頭も切れる。判断力も抜群。
メリッサ・マッカーシーがすごくいい味出している。
友人、上司の女たちもいい味出しすぎ。
でもとくにどこが?と言われると困ってしまう。
強いていうとどこにでもいそうだから。
ようするにどこにでもいそうなおばさんたちなのですね。
CIAというものすごいところで働きながら、ものすごく普通のおばさんしているという特殊な状況が楽しいのかもしれない。
コメディだからぶっ飛んだストーリーと展開なのだけど、根底にスーザンたちの健気ながんばりが見えるから、見た後心に何か残る。
「がんばらなきゃなあ~」と同じおばさんは思ってしまう。
国際的なスパイになれて夢がかなったスーザンだけど、けしてサクセスストーリーっぽくないのは、ラストにスーザンが恋する相手にかける言葉と態度からも感じる。
何もかも手に入れてしまったら、きっと人生なんて面白くない。
ぐいぐい酒飲みながら、友達と愚痴言ったり文句言ったりしている時間がとても幸せなのだ。
普通のおじさんおばさんで無くなってしまったら、きっと失うものも大きいような気がしてくる。かっこよすぎる、浮世離れしすぎると、逆にきっとカッコ悪くなる。
けど、浮世離れしすぎてる敵の派手な女もかなり面白い。
目くばせ1つで簡単に部下を制裁したり、贅沢三昧やりたい放題のろくでもない女なのだけど、嫌いになれない独特なキャラの濃さ。
ジュードロウとジェイソンステイサムが色あせて見えてしまうほどの、いい女たちに笑わせてもらいました。
楽しかった!