もくれんの映画日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

「ピッチ・ブラック」は暗闇の不安をあおってくる

ヴィン・ディーゼル出世作

内容はズバリ「エイリアン」。
エイリアンは宇宙船の中という狭いエリアなので、緊迫感がすごいが、こちらは無人の星という設定。しかし、自由に動き回れないネックがこの映画のポイントととして存在する。そのポイントとは、日の光の存在。

 

ピッチブラック [DVD]

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  • 発売日: 2014/08/06
  • メディア: DVD
 

 

宇宙定期船が事故により不時着し、そこに乗り合わせていたのは、年齢性別職業さまざまな人々。事故ですでに死んでしまった人もいて、残った客たちは9人。

不幸なことに、その星には暗闇に潜む恐ろしい生物が生息していた。
ものすごいスピードで襲い掛かり、そのまま人間を食ってしまう。

 

みすみすやられてしまうとお話にならない。
この旅客たちの中にいたのが、ヴィン・ディーゼル演じる凶悪犯「リディック」。
体型からして力強そうな彼は、かつての手術によって特殊な視力を持ち、宇宙船の操縦もできるという、パワフルの塊のような人物。

 

エイリアンと違って、この星の化け物は暗闇でしか生きられず、日の光に当たると死んでしまうという特性を持っている。その特性により、エイリアンほどの緊迫感は感じないが、映画は独特な暗さと悲壮感を漂わせている。

 

人々の間に常に流れている不信感や不安感が半端ない。なんせ戦うすべを持たない女子供、年寄りたちもいるのだ。

このパターンのお話によくある最後に生き残るのは1人、もしくは子供だけとか、そういう結末がなかなか読めない。

みんな一癖ある人々ばかりなので、誰がどういう結末を迎えるのか予想しにくい。化け物との戦いを交えながら変化していく心情や状況が、とても興味深い展開を作っている。

 

映画がかもしだす暗さが、「絶対助かるよなあ…」というこちらの予想すら不安にさせる。「これ“バッドエンド”には入ってなかったよなあ…」なんてことも過ってしまう。

そして彼らに襲い掛かる決定打。22年に1度の皆既日食の暗闇が、もうすぐこの星を包み込む…

 

化物の恐怖だけでなく、闇に包まれる不安感をあおられる。何も見えない暗さの中で、唯一ヴィン・ディーゼルだけが、暗闇を見ることができる目を持っている。リディックのカッコよさと存在感がこの映画の軸であり魅力。


見終わった後、自分の脳内の「強い男たちランキング」の中に、ヴィン・ディーゼルが加えられ、同時に照り輝くお日様の有難さを実感できる映画でした。