何だこれ?
というのが見た後の感想。
評価も低い人はとことん低い。
でも何だこれ?という感想は、面白くなかったわけではない。
今まで入ったことのないお化け屋敷に入って、けっこうキャアキャア言って、出てきてから「何だこれ~(´▽`)」という感じ。
ハロウィンの夜、パーティーで出会った男女6人の大学生が、楽しめるお化け屋敷を探す。そして成り行きで行きついた所は、見たこともない変なお化け屋敷。
始めはケラケラとおちょけていた彼ら。
しかし、眼前で助けを求める女性が無残に殺される光景を見せられたことから、アレ?ということになってくる。今のはお化け屋敷の演出…?
少し不安を抱えながら、それでも再び進み始める6人。
お約束どおり、様々なトラップによって無残な目に合うことに…。
ここは狂った殺人鬼が人を殺すことを楽しむためのお化け屋敷だった。
セットがチャチくても、お化け屋敷だからしょうがない。
逆にそのチャチさが、本物のお化け屋敷をいっしょに巡っているシチュエーションをリアルにしている感がある。
前半はそういうノリで、けっこうワクワクしていた。そしてただ事ではないとわかった頃から、視聴者と出演者は切り離される。目線は客観的になって、
そして、何となく最初から感じていた「どっかでみたことある感じ」に気づき始める。
入口に立っていたのはピエロ。のっぺりとした顔で出てくる変んなヤツのゴーストマスク、殺人鬼たちはいっぱい出てくるのだが、彼らの顔はどこかで見たことがある。そして、この部屋、この設定。
これは名作ホラーのオマージュなんだ!と気づいたとたん――楽しいったら。
「もしかしてこれはあの映画?」
「いやー、それは考えすぎ」
「人形出てきたでえー」
「ここはシャイニングやって」
「偶然やろお」
ホラー好きの会話がはずむ。
「ここまできたらチェーンソーは出てきてほしいなあ」
「やったあー出たーチェーンソー!」
ホラー映画の恐ろしい名場面と名(?)殺人鬼を集めてお化け屋敷を作れば、そりゃあ世界一怖いにきまってるわなあ。
低予算のせいか、意図してなのか、残虐シーンもさほどひどくない。
ストーリーや複雑な設定は存在しない。
まさにお化け屋敷を巡る感覚の映画。
そのお化け屋敷にあの恐ろしい彼らがいたということだけ。
て、ことで、
「ええもん見させてもうたあ」とスキップしながらお化け屋敷から出てきた気分です。