フィリピンの方がおすすめしてくれたタイの大ヒットホラー映画。
友人の結婚式に出席したカメラマンの「タン」と恋人の「ジェーン」は、車での帰宅中、道に飛び出してきた女性をはねてしまう。運転していたのはジェーン。パニックになった2人はその場から逃げ出してしまった。
そこから巻き起こる不可解な現象。
2人が写真を撮るたびに映り込む妙なもの。
お決まりの設定だなーと、油断していたら事態はどんどん悪化し、ストーリーは予想外の展開を見せる。
正直、これ、油断していられない映画です。
映画全体の雰囲気は、ジャパニーズホラーを彷彿とさせる。
貞子を連想させる幽霊の登場の仕方や、写真への映り込みの霊の描写など、とってもアジア的。
ハリウッドホラーのように、ドーンと姿を現さない、「さりげなさ」や「一瞬見える怖さ」が目白押しで、そのたびに見ているこっちは「わっ」「うわっ」と声が出る。
主人公のタンの職業がカメラマンという設定なので、カメラと写真が常に恐怖の対象となっている。
一方で「心霊写真はいくらでも作れる」という状況を見せつけ、現代の心霊写真そのものを嘲笑う。
映り込む幽霊が本物であることを確信するために、タンとジェーンはポラロイドを使用することにした。これなら加工は不可能。
結果、このポラロイドが恐ろしい展開を引き起こしていく。このポラロイド使いがひじょうにうまい。後半このカメラが中心となって真実を暴きだしていくのだけど。
とにかくこの映画、すごく怖い!と同時にすごく疲れる。
というのも、息つく暇がない。
どんなホラーでも、怖い展開になった後、ちょっと休憩みたいな普通の会話や真昼間の風景など、明るさと共に一息つけるシーンがある。
でもこの映画、怒涛のように怖いシーンがやって来る。特に後半に入ると、次から次へと「来るぞ、来るぞ」の展開が始まる。
しかも画面が全体的に暗めで、音楽もほぼ記憶に残っていない。
「来た来た来たー」の連続で、「また来たー!」と思ったら、「なんだ違うのか…」と反らしどころも心得ていて、笑わせる場面まで入れたりして、ほんとにもう
「…ちょっと休ませてくれ」
と、思わずつぶやいてしまった。
ラストだって、当然おとなしく終わってはくれない。
予想していた以上に楽しませてくれる映画だったが、一番怖かったのは、映画の本編が終わった後に出る「字幕の一文」
「うわー!マジかあ~!」
と、絶叫しました、ほんと。