もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

もう一回観たかった「トランスワールド」と「スケルトンキー」

意外性のある映画は、いつももう一回観たいと思う。
結果がわかっている状態で、仕掛けられた伏線に「なるほど」「そういえば変だった」「そうかあ、そういう意味だったのかあ」とニヤリとしながら喜びたい。

 

ものすごいどんでん返しではないけど、ぜひもう一度おさらいしたいと思っていた映画2本。

 

トランス・ワールド [DVD]

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  • 発売日: 2013/09/04
  • メディア: DVD
 

 

ホラーだと思って見たのだけど、どちらかというとサスペンス。
舞台は森の中。
ガス欠で取り残された女性が、助けを呼びに行ったまま戻ってこない夫に不安を感じて、森の中をさまよい、たどりついた一軒の山小屋。そこには、同じように道に迷った若い男性がいた。そしてもう一人、強盗をくわだてた若い女性が仲間とはぐれて迷い込む。

 

期せずして、集まってしまった三人は、お互いが何者か、ここはどこなのか、何もわからない状態で疑心暗鬼にかられる。それぞれが森からの脱出を試みようとするが、深い森から出ることができない。

 

空腹と寒さから、心ならずも協力し合おうと意思を通わせた三人。時間と日がたつにつれて、ぽつぽつとお互いの身の上話を語り始める。物語はそこから急速な展開を見せる。それぞれが相手の語る内容に疑問を持ち始める。なぜそんなウソをつくのか。なぜそんなおかしなことを言うのか。

見ている方も「え、どういうこと?」となる。ここから急速にストーリーに引っ張り込まれていく。

やがて、この森の中にもう一人別の人物が存在することがわかって――。

 

かなり荒唐無稽なストーリーでありながら、テンポの良い展開でぐいぐい引き込まれていく。「あ、そういうことか」とわかった時点で、もう次の出来事が待っているので、目が離せなくなる。

 

この映画、何を言ってもすべてネタバレに直結してしまう内容なので、人に紹介するのはとてもむずかしいと思う。2回見ると、巧妙に仕掛けられている伏線に気づく。何気ない会話、小道具…等
そういえば違和感があったことに気づく。

途中で「もしかして――」と気づいても、ラストどういう結末が待っているのかわからないので、サスペンスとしても秀逸な作品。

 

 

スケルトン・キー [Blu-ray]

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  • 発売日: 2012/04/13
  • メディア: Blu-ray
 

 

アメリカの田舎町。老夫婦の家に看護師として住み込むことになった主人公の女性キャロライン。介護が必要なのは夫のベン。妻のヴァイオレットは気難しくて愛想のない婆さん。気が滅入りそうになっているキャロラインの唯一の救いは、時々訪ねてくる若い弁護士の男性。

ある時、口もきけないベンが必死にキャロラインに何事か訴えようとしてきた。それはSOSのサイン――。

とたんにヴァイオレットの存在が不気味になってくる。まさにホラー的悪役に変貌していく。キャロラインはベンを助け出すことを決意し、屋敷の中にある秘密を探りだそうとするが…。

 

ストーリーとしては、とても単純なホラー。どんでん返しというほどの結末でもない。わかる人にはわかるので、そこまで執着するほどのホラーではないと思う。

 

正直、この映画を初めて見たのはかなり前。ストーリーも細かく覚えていなかったが、ラストに何かに気づいて非常に驚いたという記憶があった。

で、それが何だったのか、個人的に確かめたくて、ずっともう一度観たかった。

 

さすがに見ているうちに思い出したが、それを踏まえて見ていると、1回目とはまた違う視点でストーリー全体が見えてくる。

 

ブードゥーの呪いという、どちらかというとありきたりで古めかしい呪術がメインになる話なのだが、すべてがわかってから、頭の中でストーリーと各場面をおさらいしたくなる。

けっこう単純に見えて、この映画奥が深いのだ。
結果、このホラーの悪役は誰で、どこから存在していたんだ?
いつから始まっていたんだ?

 

ネタバレで見たら絶対面白くない。
でも、ネタバレしてからももう一回見たくなる奇妙な秀作2本でした。