もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

出演者総勢7人のカルト的名作「CUBE」

邦画でリメイクされるということで、何十年かぶり?に見た。

 

CUBEキューブ DVD

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いったい幾つの時に見たのか、さっぱり覚えてないんだけど、大人であったことは間違いない。
どちらかというとワンパターンだったホラー映画の中で、この映画は衝撃だった。

 

すぐに内容を忘れる自分としては、異例といえるほどストーリー(脱出するだけなんだけど)を覚えている。
ラストの衝撃もなかなかだった。「え…!なんで?」という一瞬。

 

立方体の部屋の中、閉じ込められた7人の人物たち(1人は早々に死ぬ)。
壁や床や天井にドアがあるが、開けると隣には色違いの同じ部屋が広がっている。

 

隣の部屋に移動しようと試みると、そこには恐ろしく残酷な罠が仕掛けられている。
わけがわからないまま、それでも必死でこの状況から逃れるため工夫をこらして部屋から部屋へ移動するが、キリのない移動に彼等の精神状態は極限を迎え、次第に追い詰められていく――。

 

さまざまな映画やゲームに使用されて、今ではすっかりお馴染みになったあの罠(サイコロステーキになってしまうやつ)を始め、説明のつかないナンセンスなストーリーはホラー映画界に衝撃を与えたようだ。

 

昔のホラー映画は、年月がたって見直すと「え、こんな感じだっけ…」とテンション下がる場合も少なくないけど、この映画は改めてみると、まったく古びた感がない新鮮さ。

 

今ではさほどめずらしくなくなった残虐な罠なんだけど、息を飲んで見るという言葉がぴったりの緊迫感。

 

 

 

 

日本のリメイクは設定や道具立ては同じだが、基本的にオリジナルストーリーなんだとか。だろうな。正直、元の映画をそのままやるとR指定だ。刺激が強すぎる。感動したりするストーリーなんて基本的に無いも同然だし。

 

正式な続編もあったが、いまいちの評価だったみたいだ。
化物が出てくるわけでもなく、グロテスクが続くわけでもないのに、独特の怖さに包み込まれる要因の1つは、音楽がないことにもある。

 

そして見ているこちらの意識もキューブから出してもらえない。
回想シーンもないし、とにかく映像はキューブの中から出ることがない。
どこの誰かわからない彼等6人といっしょに90分間閉じ込められる。

 

因数分解素数デカルト座標など、聞いただけで意識が遠のく部屋番号の謎解きやパズル要素もたっぷり。
「希望があるから前に進める」みたいな哲学的問答のやりとりまで飛び交う異色のホラー。


後味の悪さも良いんだか悪いんだか。
やはり、今に至るカルト的名作という評価に、改めて納得。