もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

スクリーンと繋がる現実「ファイナル・ガールズ惨劇のシナリオ」

ようやくパソコンが復活した。
さて何の映画のこと書こうか。

胸糞悪いプーチンのツラを見てると、チャイルド44とかレッドスパローとか思いつく映画はいっぱいあるけど、よけいに腹たってくるので、平和なホラーにしよう。

 

 

車の中、スマホで1980年代ホラーを見ながら誰かを待っている感じの少女。
そこへママが戻ってくる。
イラついているのはまた売り込みに失敗したらしい。
売り込んでいるのは自分。どうやらママは女優さんのようだ。

 

シングルマザーのママと、「電気代が払えない」とやけにしっかりしてそうな娘。
マまは焦りながらも、なんとかごまかそうと歌を歌ったりして、ノリノリでだんだんリアクション派手になってきて、結局娘も笑っちゃって、いっしょに楽しくノリノリで――

 

ママ、前見ないと、そんなことしてたら危ないよ、と思っていたら、あんのじょおぉぉ――

 

三年後、そこそこいい感じの娘さんになっているかつての少女マックス。
彼女はかつてママが出ていたホラー映画の上映会に呼ばれることになった。

気の進まないまま、映画を見ていた劇場が、突然火事に見舞われる。
必死で逃げようと数人の友達たちとスクリーンの裏に飛び込んだが――。

 

なんとそこはママが出ていた映画の中だった。
当然そこには、死んだはずのママがいて…。

 

 

熟知している映画のストーリーは、次に起こることも、次に誰が殺されるかもわかっている。その辺の感じはスクリームを彷彿とさせる。

ただあそこまでふざけた設定ではなく、目の前にあるのは現実。襲ってくるのは現存するジェイソン風殺人鬼。登場人物と本物たち総勢10人以上が逃げ惑う。

 

1980年代と現代の学生グループがそれぞれキャラの被り合いで楽しい。
スマホを電話だと信じない1980年代のイケイケ娘もいるし、「私みたいな性悪な性格はだいたい早めに殺されることになってんのよ。長く生きすぎだわ」とヤケになる現代の性悪娘もいる。

 

ホラー映画のあるある、ラスト生き残るのは真面目でひかえめな性格の女性。ホラー映画の人物類型でファイナルガールと呼ぶ。

 

この映画でも、ファイナルガールは当然存在する。誰がそうなるのかというのもわかっているので、みんな彼女のまわりにくっついている。

 

が、しかし、結末を登場人物たちに明かしてしまったことによって、事態は変化していく。

 

感動できるホラーパロディとして高評価のこの映画。
確かにこんな感じの結末はめずらしいかも。
ラストもニヤリとしてしまう気のききよう。

 

現実とホラー映画がスクリーン一枚でつながっている設定は、まさに実感。
今わたしたちは、地球ごと映画の中に突入したみたいだ。