もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

重すぎるスラッシャーホラー「キャンディマン」

鏡に向かって5回その名を唱えると、キャンディマンが現れ殺される――
という都市伝説にそって展開されるホラー映画。

 

 

何も考えずに見れるホラー映画だと思っていたら、めちゃくちゃ考えさせられる映画だった。とにかく重い。ヘレディタリーのように胸糞悪いわけではなく、とにかく重い。

 

ストーリーは単純で、アーティストのアンソニーは作品制作のためにキャンディマンの都市伝説を調べていた。その取材である公団住宅を訪ねたおり、都市伝説の事情を知る一人の老人と出会う。

 

老人から聞いた話は、悲惨で辛いものだったが、それからアンソニーのまわりで奇妙な出来事が起き始める。アンソニーがキャンディマンをモチーフにした作品を完成させると、ふざけてキャンディマンを召喚してしまった知人が殺される――。

 

「ゲットアウト」の監督が制作に関わっていると知って納得。黒人差別の問題が根底になっているストーリーだ。でもゲットアウトほどのエンターテインメント性は感じられない。

 

奇妙な感覚を覚えたのは、スラッシャー映画特有の犯人や怪物の姿がはっきりと表現されないことだった。キャンディマンそのものの存在が漠然としている。ちゃんと存在しているし、ドーンと居るのだけれど、とても薄く感じるのだ。

 

まさにそこにこの映画のテーマが凝結している。
「キャンディマンとは何者なのか」

重くて悲しいテーマではあるが、スラッシャーホラーとしては存分に楽しめる。
女子高生(?)たちが、トイレで鏡に向かって禁断のセリフを唱えた後に起こった惨劇場面なんかは、なかなかの怖さ。

 

 

 

後で知ったのだけど、この映画は1900年代に作られた映画の続編にあたるのだとか。もちろんこれだけ見ても楽しめるのだけど、ちょっと見たい気もするなあ、リメイクじゃく続編となると。