たとえばアクション映画などを、旦那や子供と見ていると、
主人公の嫁や子供が人質にとられて、一挙に劣勢にたたされる場合がある。
そんなとき、彼等は「これやから女子供は~」「足手まといやっちゅうねん」「おもんないねん」「もうほっとけやあ」と無差別発言を繰り返す。
子供なんざ、自分も子供だという己の立場を忘れてほざいている。
確かに、登場したとたん「あ、こいつさらわれるな」というのがわかるものは多い。
でもそれはそれで1つのお約束場面なのだから、しょーがないではないか。
しかし、旦那がうっとおしがるお約束場面をそこだけ取り出してメインにした映画がある。
元秘密工作員の主人公は、離婚しても17歳の娘キムちゃんのことが心配でたまらない。
キムちゃんもまたいい子だから、ちゃんとおとうちゃんが安心する対応をしている。単にうるさいからなんだろうけど。
その大事なキムちゃんが友達とパリに旅行したいと言い出した。ブライアンお父ちゃんは、元秘密工作員だから世の中が恐ろしいヤツでいっぱいなのを良く知っている。なので当然のことながら反対する。
嘆くキムちゃん、怒り爆発するお母ちゃんに根負けしたブライアンお父ちゃんは、毎日電話すること!などの条件を出して承知する。
そこまでは、見ているこっちとしてはお父ちゃんに、むしろイラつきを感じる。しかし、予想どおりキムちゃんはしっかりパリで人身売買の悪いやつらに誘拐されるのだ。
そこからは、ただひたすら娘の行方を追いかけるだけのストーリー。ブライアンお父ちゃんは元秘密工作員の知識と人脈を使い、危ないおっさんのブライアンとして壮絶アクションを繰り広げる。
呆れるくらいのまっしぐらさは、カッコイイをとおりこしてどこか滑稽でもある。
そう、滑稽なくらいの親の愛情をストレートにわかりやすく、爽快アクションとして見せてくれる。
面白かったです。
カッコ良すぎるダディじゃなく、お父ちゃんぽいところがなお良かった。
旦那の後頭部を押さえつけて、無理やり見せてやりたいが、元より映画をほとんど見ない男なので、そんなことをする気もわかない。
彼はたた単に、大好きなシュワちゃんやブルース・ウィリスの活躍を邪魔するものが許せないだけで、それがたまたま女子供であったというだけなのだから。