もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

ヨシタケさんの空想・妄想が楽しい「あるかしら書店」

ヨシタケシンスケさんの本を初めて見たのは何かの展覧会だった。もちろん絵本がらみの展覧会だったと思うけど、なんてかわいらしい人物たち…と動揺してしまった。

 

なんで動揺したのかというと、この先この作者の本を買いあさりそうな自分が見えたから…。
絵本好きだけど、この時期ちょっと絵本から離れていたので、知らないあいだにこんな方が登場していたなんて、と悔やんだ。

 

 

この時売店でみたのは「このあとどうしちゃおう」
男の子が亡くなったおじいちゃんの部屋で、一冊のノートを見つける。
それはおじいちゃんが、自分が天国にいったあとの予定やら希望やらを描いたものだった。

 

といっても、してほしいことではなく、やりたいことというのが面白い。
テーマパークみたいな天国の予想図だったり、生まれ変わったらなりたいものの希望だったり――。

 

ヨシタケさんの本は、漫画みたいで読みやすい。
人物もお人形さんみたいなのに、どうしてこんなに表情豊かで人間ぽいのか。
ああこういう顔してる!っていう顔がいっぱい出てくる。

 

子供向けの本が多いということもあって、みんな前向きで明るい。
そうか、子供って、大人って、こんなに豊かな表情で、面白い日常をおくってるんだと思わせてくれる。

 

そう、まさに面白い日常。
その中で、この本はちょっと変わってる。

 

 

本に関わる空想や妄想が散りばめられた本。
「~な本あるかしら」
といいながら、いろんなお客さんが本屋さんに入ってくる。

 

そこには奇妙な本がいっぱい置いてある。
世界のしかけ絵本…という本に紹介されているのは、とび出す絵本からはじまって、溶け出す絵本、食べ出す絵本、駆け出す絵本―というふうに、すべてこんな感じ。

 

個人的に、ほしいなあ~と思ったのが「読書サポートロボ」
ぜひ、ロボと話してみたい。ぜひほしい。

 

気に入った章は、図書館の本たちが主役の「ラブリーラブリーライブラリー」
なんでだろうって考えたら、この章だけ本を扱う人ではなく、本自身が擬人化されていてかわいらしい。


加えて、本好きの人がうんうんとうなずける良い話。
返却された本への質問ページはとても良い。
「読みながら泣いてた?笑ってた?」みたいなこと。
思わず今自分が借りてる本を見てしまった。

 

本屋さんで見かけると必ず手にとってしまうヨシタケさんの本。
面白いので気が付くとにやけている。
こういうときはマスクがあってありがたい。