もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

ニコラス・ケイジそのものがコメディでホラー「ウィリーズ・ワンダーランド」

ニコラス・ケイジがいないと成り立たないといっても過言ではないB級コメディホラー。

 

 

コメディなのにゲラゲラ笑う場面とか、そんなに無い。
でも設定自体がおかしいのと、何よりニコラス・ケイジのキャラクターそのものがコメディになっている映画。

 

ニコラス・ケイジ演じるハードボイルドな風貌の男は、田舎町で車がパンクし呆然としながら無人の道路に立ち尽くし続ける。

 

運よく通りがかったトラックに助けられ、町で車の修理をしてもらうが代金が払えず、やむなく清掃員を一晩引き受けることに。

 

かつて陰惨な事件が起こった廃墟となった屋内遊園地。そこで一晩掃除をすることになるが、見ているだけで気持ちよくなるくらい男は掃除し倒す。どこもかしこもピカピカ。

 

ホラー映画の王道である、遊園地で化け物に襲われる惨劇と若者グループ、なぜか必要不可欠なチャラカップルによるエロシーン、真面目でかわいいラストヒロインなどすべてのお約束を詰め込んだ何の変哲もないホラーの世界に、絶対負けないアクションヒーローを放り込んだらどうなるか――という面白さなんです、この映画。

 

襲ってくるのはキャラクターのぬいぐるみロボットたち。機械感はそんなに無く、けっこう人感が混じってグロテスク。

 

ニコラス・ケイジがドバーと浴びる返り血は、オイルだか血だかわからないけど、おぞましさ満点。子供っぽい歌や子供たちに語り掛ける音声、独特の遊園地の雰囲気が気持ち悪くていい感じ。

 

ツッコミどころなんて山ほどあるけど、ツッこんでもらおうと思って作ってるんだろうから、制作側にしては大成功でしょう。

 

殺人ロボットたちの由来や、呪われた町の歴史なんかはちゃんと理論的に説明はされるんだけど、みんなが知りたい最強の謎はニコラス・ケイジ
もくもくと掃除しながら、ぬいぐるみロボットが現れても恐怖の表情などまるで浮かべない。

 

一番始めに出てくる鳥の化け物。食うはずの掃除男が自分を見たとたん怒りの表情と闘争心を溢れかえらせ、モップを膝でぶち折り気合をいれる姿に、一瞬目を見開き「えっ」と驚きの表情を浮かべるのがかわいかった。

 

迷い込んだ若者たちを助けるいいやつなのか?と思いきや、急に戦いを投げ出してどっか行ったり、踊りだしたりとわけがわからない。

 

だんだん化物なんかどうでもよくなって、ストーリーなんかあってないようなものだし、ただただ気になるのは一点だけ。
こいつは何者?

 

それが知りたくて最後まで見ましたが、最後もしっかりツっこんだ。
「わけわからん!」

 

でもとても面白かったです。
ニコラス・ケイジって名優であり、やっぱり変。