このタイプの悪魔祓いホラーはパターンが決まっているので、意外性やジャンプスケアはそれほど無いが、時代劇が持つような定番ホラーの独特の世界観が楽しめる。
ラッセル・クロウ演じる実在したエクソシストアモルト神父の活躍を描いたストーリー。
イタリアの田舎町にある古い教会を改築して売却するため、アメリカからやってきたファミリー。母親とティーンエイジャーっぽい姉と弟の三人は父親を亡くしてお金に困っている様子。
その弟が、ある日突然おかしくなる。家族はお約束のように医者に見せるが、精神の異常を疑われて激怒しつつ戸惑う。
日ごと異常さを増していく弟。(いつものことだけど、悪魔がついた人物演じる役者さんの演技には大人子供問わず感心する)
神父を呼んで来いという悪魔の命令で、近所の若いトマース神父がやってくるが、部屋に入ったとたんに吹っ飛ばされて役にたたず。
そして、満を持して登場するのがバチカンからの依頼で、この教会にやってきたアモルト神父。「おーやっと来たか来たか」とヒーロー登場に満足な視聴者。
彼は、少年にとりついた悪魔は並みのヤツではないと見抜く。
ここから悪魔対、アモルト神父の壮絶な戦いが始まる。悪魔払いなんか体験したこともない平和なトマース神父をにわか助手にするが、この時点でこの人は何らかの役にたって殺られるか、それともいい感じのバディになるかどっちかだな、と予感させる。
このエクソシスト映画は、悪魔対神父の戦いという単純な展開だけでなく、悪魔がなぜ突然出てきたのかという謎解きのストーリーも加わっているので、エンターテインメント感が強いと思う。
なんせ元グラディエーターのラッセル・クロウ神父はカッコよすぎる。変に作り物めいた化け物も出てこないし、悪魔が変な色のゲロ吐いたり汚さを強調するようなおぞましい場面もほとんど無いので、苦手な人には見やすいエクソシストかも。
元教会の建物が舞台ということで、中世ぽい雰囲気出てるし、その場面場面を引き立てるオレンジや白のライトが、美しい映像を作り出していて、黒い神父の姿を引き立てている。
続編もあるぞ、という期待感をたっぷり残したエンディングは、ストーリーよりもゾクゾクしたぞ。