もくれんの映画日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

ずっとこのイメージ「スリーピーホロウ」のジョニデ

ジョニー・デップのイメージは、「シザーハンズ」やこの「スリーピーホロウ」の主人公のように、真面目、気弱、正義感が強い、華奢な優男という感じだった。

 

なので、正直パイレーツが出てきた時にはけっこう衝撃だった。こんな汚い男ジョニー・デップじゃない!

 

 

今でも一番好きなのがこの「スリーピーホロウ」
若き日のジョニデがかわいいのなんの。

 

お話自体は、教科書にのっているくらい有名な伝説らしい。
確か、以前アメリカのディズニーランドのパレードの映像で、この物語のメインキャラである「首なし騎士」が走っているのを見たことがあった。


なんで…こんな不気味なキャラが…ディズニーに…?
と思ってが、みんなが知ってる伝説ならわかる。
日本だと四谷怪談とか――ちょっと違うかな。

 

そのみんなが知ってる伝説を、ティム・バートンが華やかに派手に映像化してくれた。

 

 

舞台は200年以上前のニューヨーク。
殺人事件も拷問や自白で決定するという、どこの国でも変わらん一昔前の警察と司法の世界。

そんな中で、1人科学捜査によって事件解決を試みようとする若き科学捜査官イカボッド。ある郊外の村で起きた、首なし連続殺人事件の捜査に派遣される。村の長老たちによる見解は「かつて無残な死に方をしたドイツ兵が首なし騎士として蘇り復讐を企ている」というもの。

そんな迷信を一切信じない科学者イカボッド君は、首なし死体の検死をがんばるが、なんせ気迫に体がついていかない彼は気分が悪くなったり、目を回して倒れることもしょっちゅう。

村人たちも呆れながら、それでもちょっと変わり者の愛すべき存在となっていく。
そんなある日、またもや殺人事件が――。
しかも、イカボッドの目の前で事件は起きる。
馬で駆けながら、剣で村人の首をはね飛ばした犯人には、首が無かった――。

 

当然気絶し、パニックになりながらも、事実を受け入れざるを得なくなったイカボッドだが、この物語は怪奇な世界と犯人捜しのミステリーが同居する楽しいお話。
“首なし騎士はなぜ突然現れたのか” 
恐怖と闘いながら、ヒロインの協力も得て、科学の力で怪奇殺人の謎にのりだす。

 

 

 

それぞれのキャラも個性的で、ホラーのジャンルに入ってはいるけど、さほど怖さはない上に、イカボッドのコミカルな存在が際立っている。
頼りない存在からどんどんたくましくカッコよくなっていくイカボッドに、知らないうちに気持ちを持っていかれること必須。

 

でもこの映画、首切りシーン満載で、ゴロゴロ首が転がりたおして、特に首なしの木の描写はなかなか素敵なグロさなので、子供が見るのはよくないかも。

 

スリーピーホロウは定期的に見たくなるので、何回も見てますが、
見る度にジャック・スパロウが別人に感じる。
それだけすごい役者さんなんだと改めて認識するけど、
王子様みたいだったジョニデが、汚いおっさんを経て、最近人間離れした人物になっていくのが、寂しいようなーー。

それでいて、太って老け込んでいくよりはよっぽどカッコいい!
と嬉しいような。

 

 

 

 

ホラーでお腹いっぱいになる「キャビン」

まず、始ったとたんに「?」
ホラー映画ではあまり見かけない学者かビジネス風の人たちと、並ぶモニターやメカニックな世界。そこで交わされるお気軽で意味不明な会話。
「あれ?間違った?違う映画?」

 

そんな違和感を抱くほど、ホラーの定番状況というのは決まっているのだ。

 

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バカンスを楽しむために、山小屋へと向かう大学生たち5人。
ホラー映画ならではの状況と人物設定。
チャラそうな男に軽そうなねーちゃんのカップル、オタク風、好青年、そして明らかに主役の、ちょっと不器用な感じの失恋したてのおねーちゃん。

もう誰が生き残って、誰が絶対死ぬやつか、誰が生きるか死ぬかビミョーなヤツかなんていうのが、ひとめでわかるキャラがずらり。

 

彼等が山小屋に向かう途中に立ち寄るのが、ガソリンスタンド。
そこでひと悶着起こすのだが、「おや?」となるのが、スタンドのおっさんが彼らの立ち去った後、芝居が終わったような状態で「今向かいました」みたいな報告をどこかにすること。

 

そのどこかというのが、始めに出てきた研究所。
これはいったいどういう話なのだ?

 

 

ネタバレすると絶対面白くない映画なので、伏せることがいっぱいなのだが、
大学生たちは、ちゃんとお決まりの設定どおり、封印された呪文を唱えてしまい、何者かを呼び覚ましてしまい、恐怖にのたうちまわりながら順番に死んでいってくれる。

 

研究所とホラー現場が交互に現れて、だいたいの状況はつかめてくる。
ああ、そういうことなんだな――
と、自分なりの想像ができあがる。

 

が、しかし――

第二部ともいうべき後半が始まると、いろんな想像やストーリーなんか吹っ飛ぶ。
これはもう、あらゆるホラーのオマージュをぶちこんだ想像を絶する世界観。

 

「うわあ」「出たー」「あー知ってるう!」「あいつも知ってるう!」
次から次へと出てくるどっかで見た化け物どもは壮観としか言いようがない。

残虐とおりこして、もうドロドロベタベタ。
そしてストーリーは目が離せないスピーディーな展開。

まさかの特別ゲストも「あー、こんなところにー、なんて贅沢なー」という出演の仕方。
予想を裏切るところあり、予想どおりをしっかりなぞってくれるところあり、まさにホラー好きを存分に楽しませてくれる大胆不敵な映画。

もうお腹いっぱいです。

 

加えてラストも大胆不敵な結末。

でもちょっと見たかったな…
“あいつ” の正体…

人生で見残さないでよかった映画part2「ミッドナイトクロス」

昔々の小学生の頃――いや、ひょっとして中学生になっていたかもしれないけど、だいたいその辺。

ブライアン・デ・パルマ監督にはまったことがあった。
というか、監督の名前なんか知らなくて「ナンシーアレン」が気に入って、この監督の映画にたて続けに出演していたこの女優さんにつられて、必然的に知ったという感じ。

 

初めて見たのは「殺しのドレス
じいちゃんばあちゃんの家で垂れ流しにかかっていたテレビで偶然見た。

 

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大人になってから見ると狂気的殺人事件のこの映画の、いったいどこが気に入ったのかわからないが、ナンシーアレンを見て「なんてキレイな人なんだ…」と思った記憶はある。これも今から見ると、そこまで美形というほどでもないんだけど。

 

サスペンスやミステリーが子供の頃から好きだったので、おそらくストーリーも気に入ったのだろうけど、ちゃんと「オズの魔法使い」や「サウンドオブミュージック」なんかもみてました。

ほとんどが、このじいちゃんばあちゃんの家の垂れ流しテレビのおかげですが。

 

で、ある日やってしまった――。
この「ミッドナイトクロス」を、ラストだけ見てしまうという愚行を。

 

 

殺しのドレスと共に評価の高いこの映画は、衝撃的なラストが有名なのだが、それをいきなり見てしまったもので……。
ちゃんと見なきゃと思いつつ、「どうせ知ってるしなあ~」と年月がたって…。


で、数十年の歳月を経てようやく観ました。というのも、娘がレンタルしたので。
「若き日のジョントラボルタ」が出ている評価の高いサスペンスという理由で。
そうか、ジョントラボルタだったんだ。ナンシーアレンしか記憶にないけど。

 

 

 

映画の音声の仕事をしているジャックは、音を拾いにいった公園で自動車事故を目撃してしまう。川に落ちた車から救い出したのはサリーという女性。運転席の男は死亡したが、彼は大統領選挙の有力候補だった。

 

見ず知らずの人物から事故のことを口留めされたジャック。本当なら何事もなく単なる事故と片付けられていた一件だったが、ジャックが拾った音声の中にとんでもないものが録音されていた。
それは銃声。

 

サリーと親しくなったジャックは、共に真相を突き止めるべく動き出すが、そこはスムーズにいくはずがない。お約束のように殺し屋の手が2人に伸び始める――。

 

 

 

1981年公開ということで、音声を含めアナログ感がハンパ無い。
でもそれがすごくおしゃれでいい感じ。
必死で録音テープを守ろうとするジャックだけど、今なら一発でネットにアップだ。

 

ブライアン・デ・パルマ監督の危機をあおる独特のカメラワークと世界観が絶妙で、最後まで飽きさせない。なんせあの「キャリー」や「ミッションインポッシブル」を作られたお方ですから。

 

「あーこんな話だったんだあ」
と、満足。そして衝撃のラスト。

 

キャリーではいじわるな女子高生、ロボコップでは勇ましい女刑事。
でも、この映画のナンシーアレンはちょっとおバカな感じの可愛すぎる女の子。

現在70歳を超えておられる彼女。
年くうと「ウソ…」と言いたくなるくらいデブばーさんになってしまうハリウッド女優さんが多い中、今もとっても美しいばーちゃんとなっているナンシーアレン。

 

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映画でひとめぼれさせてくれたあなたのようなばーちゃんに、私もいつかなりたい。

 

 

 

 

映画だからこそわかる現実がある「ウインド・リバー」

当然のことながら、変死体というものは見たことがない。

変死体どころか、死体なんてまず見ない。

棺桶に入ってたじいちゃんばあちゃん以外は。

ただこの映画で、主人公コリーが雪の中で見つける死体は、ギョッとするほどリアルだ。

 

 

おそらく、変に血みどろとか残虐な状態とか、そんなものがないからだろう。彼女は血の跡を残し、倒れていただけ。
きっと本物の死体というものはほとんどがこういうものなのだろうと、静かに思った。

 

ウインドリバーとはワイオミング州ネイティブアメリカンの保留地。冬は雪に閉ざされる極寒の地。そこで雪の中に倒れて死んでいる若い女性を、野生動物局のハンター「コリー」が発見する。

 

当然警察が捜査を開始するべきであるのに、アメリカ合衆国の管理下にあるこの土地では、現地の警察は殺人事件の捜査をすることはできない。じゃあどこから警察はやって来るのかというと、なんと直接FBI。

 

この日も吹雪の中、必死でやって来たのは新米の女性捜査官「ジェーン」1人だけだった。死体を見て戸惑うジェーン。半径5キロ以内に家はなく、死体は薄着で裸足、-30度の極寒の中で肺が凍って破裂するという悲惨な状況で死んでいる。彼女にいったい何が起こったのか。

 

FBIの協力も得られず、やもなく1人で捜査を開始するジェーン。協力するのは地元に詳しいコリー。ストーリーが展開していく中で、この土地の厳しさや人々の生活の現実に驚き、戸惑いっぱなしのジェーンは、そのまま視聴者の驚きと戸惑い。

 

この土地では、なぜか少女たちの行方不明が異常に多い。そしてまともに捜査されることもないのが現実。

コリーの娘もまた、行方不明になったまま帰ってきていない――。

 

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サスペンス性たっぷりのクライム映画だが、テーマはアメリカが持っている現実。犯してしまった罪と罰を、静かに、残酷に披露してくれる。

この映画が現実の出来事に即した話だということにも驚愕する。

 

 ラスト、白人のコリーと友人であるネイティブアメリカンのマーティンが泣きながら励まし合うシーンには胸を突かれる。

 

日本は平和ボケしているというけれど、まあ確かにそうだけれど、世界と比べるにはあまりにも条件が違う。アメリカにしても中国にしても、広すぎる。人の数も違いすぎる。民族や人種というものの抱える問題のむずかしさをつくづく実感する。

 

それでもこういう映画を見た時、やっぱりアメリカってすごいと思うのは、こういう事実があるというのを暴きだすのもアメリカ自身だということ。

 

最近、国の操作がたっぷりかかったニュース見るより、映画の方がよっぽど勉強になるわ。何かわからないけど、誰に対してかわからないけど、バカヤロー。

すいません、ストレスたまってますから。

 

 

 

 

間違いなく恋愛映画でしょう「高慢と偏見とゾンビ」

1800年代に発表されたイギリスの恋愛小説の名作「高慢と偏見

有名だけど読んだことない。

しかし、それにひとたび“ゾンビ”とつけば、俄然興味が湧くのは必須。

 

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女性にとってどこの誰と結婚するかが、人生を決める時代。
今でも大して変わらないと思うが、自分で稼いでたくましく生きるなんてできなかった時代なら、確かに良き結婚相手を獲得するのは運命をかけた戦い。

 

好きだ嫌いだなんて言ってられない。
年頃の5人姉妹にとっては、家族ともども大変なこと。

 

高慢と偏見」は、長女のジェインと次女のエリザベスが資産家の舞踏会に出かけ、そこで出会った2人の男性と恋に落ちる話。主役はエリザベスと富豪ダーシー。2人はお互い気になりながらも、プライドや偏見によって、さまざまな誤解を招きすれ違っていく物語。

見ていてヤキモキするよくある恋愛ストーリーですね。

しかし、この映画ではそこにゾンビがプラスされる。
村ではウィルスに感染したゾンビたちが、人々を襲っていた。
冒頭から、人に混じってくつろいでいるゾンビを、ハエで暴くダーシーの場面から映画は始まる。

 

そんな生活環境の中での恋愛は大変で、舞踏会にもゾンビが乱入。
とたんに姉妹たちは得意のカンフーと剣術で勇ましく戦う。

 

さっきまでの可愛らしくエレガントだった様子なんて、一挙に吹っ飛ぶ。
『シンデレラ』のリリー・ジェームズが、まくり上げたドレスの下、ガーターリングに装備された剣を取り出すシーンのかっこ良さったら。

 

両手に剣で、ズッバズッバゾンビを切り裂いていく。
なぜ東洋武術?という疑問はどっかに飛ばすことにして、とにかく女性たちのカッコよさが光る。

その戦いっぷりに、惹かれるダーシーたちなのだが――。

 

 

 

ゾンビ映画なので、けっこう残忍なシーンあり」というのをどっかで見たけど、どこにそんなシーンがあった?というのが感想。
まあそれは人によりけりだと思いますが。


他のゾンビ映画と違って、ゾンビたちがヴィクトリア朝の衣装をちゃんと身に着けているというのもあるだろうけど、グロテスクさはさほど感じなかった。

 

ストーリーは最終的にゾンビたちとの全面戦争に突入していくのだが、基本的に「高慢と偏見」の物語から逸脱していない。ゾンビとの戦いの行方よりも、けっこうダーシーとエリザベスの恋の行方の方が気になっていたりする。

 

これはまごうことなき、恋愛映画だ。
恋愛ものが苦手な自分でも楽しく見せてもらえた。

だからといって「高慢と偏見」のオリジナルを見たいかといえば、それは無理。
やっぱりゾンビとの戦いの渦中にある2人でないと、
ホラー好きの心はときめかない。

 

もう一回観たかった「トランスワールド」と「スケルトンキー」

意外性のある映画は、いつももう一回観たいと思う。
結果がわかっている状態で、仕掛けられた伏線に「なるほど」「そういえば変だった」「そうかあ、そういう意味だったのかあ」とニヤリとしながら喜びたい。

 

ものすごいどんでん返しではないけど、ぜひもう一度おさらいしたいと思っていた映画2本。

 

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ホラーだと思って見たのだけど、どちらかというとサスペンス。
舞台は森の中。
ガス欠で取り残された女性が、助けを呼びに行ったまま戻ってこない夫に不安を感じて、森の中をさまよい、たどりついた一軒の山小屋。そこには、同じように道に迷った若い男性がいた。そしてもう一人、強盗をくわだてた若い女性が仲間とはぐれて迷い込む。

 

期せずして、集まってしまった三人は、お互いが何者か、ここはどこなのか、何もわからない状態で疑心暗鬼にかられる。それぞれが森からの脱出を試みようとするが、深い森から出ることができない。

 

空腹と寒さから、心ならずも協力し合おうと意思を通わせた三人。時間と日がたつにつれて、ぽつぽつとお互いの身の上話を語り始める。物語はそこから急速な展開を見せる。それぞれが相手の語る内容に疑問を持ち始める。なぜそんなウソをつくのか。なぜそんなおかしなことを言うのか。

見ている方も「え、どういうこと?」となる。ここから急速にストーリーに引っ張り込まれていく。

やがて、この森の中にもう一人別の人物が存在することがわかって――。

 

かなり荒唐無稽なストーリーでありながら、テンポの良い展開でぐいぐい引き込まれていく。「あ、そういうことか」とわかった時点で、もう次の出来事が待っているので、目が離せなくなる。

 

この映画、何を言ってもすべてネタバレに直結してしまう内容なので、人に紹介するのはとてもむずかしいと思う。2回見ると、巧妙に仕掛けられている伏線に気づく。何気ない会話、小道具…等
そういえば違和感があったことに気づく。

途中で「もしかして――」と気づいても、ラストどういう結末が待っているのかわからないので、サスペンスとしても秀逸な作品。

 

 

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アメリカの田舎町。老夫婦の家に看護師として住み込むことになった主人公の女性キャロライン。介護が必要なのは夫のベン。妻のヴァイオレットは気難しくて愛想のない婆さん。気が滅入りそうになっているキャロラインの唯一の救いは、時々訪ねてくる若い弁護士の男性。

ある時、口もきけないベンが必死にキャロラインに何事か訴えようとしてきた。それはSOSのサイン――。

とたんにヴァイオレットの存在が不気味になってくる。まさにホラー的悪役に変貌していく。キャロラインはベンを助け出すことを決意し、屋敷の中にある秘密を探りだそうとするが…。

 

ストーリーとしては、とても単純なホラー。どんでん返しというほどの結末でもない。わかる人にはわかるので、そこまで執着するほどのホラーではないと思う。

 

正直、この映画を初めて見たのはかなり前。ストーリーも細かく覚えていなかったが、ラストに何かに気づいて非常に驚いたという記憶があった。

で、それが何だったのか、個人的に確かめたくて、ずっともう一度観たかった。

 

さすがに見ているうちに思い出したが、それを踏まえて見ていると、1回目とはまた違う視点でストーリー全体が見えてくる。

 

ブードゥーの呪いという、どちらかというとありきたりで古めかしい呪術がメインになる話なのだが、すべてがわかってから、頭の中でストーリーと各場面をおさらいしたくなる。

けっこう単純に見えて、この映画奥が深いのだ。
結果、このホラーの悪役は誰で、どこから存在していたんだ?
いつから始まっていたんだ?

 

ネタバレで見たら絶対面白くない。
でも、ネタバレしてからももう一回見たくなる奇妙な秀作2本でした。

凶悪振りを見比べた2本の「テッド・バンディ」

シリアルキラーという言葉は、この男から始まったと言われているアメリカの連続殺人犯「テッド・バンディ」の映画を2本見比べた。

 

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1974年から78年までに、7つの州にわたり30人以上の女性を強姦、殺害した最悪の連続殺人犯。しかも首を切り落として保管していたり、死体の場所へ何度も通ったりと、異常性はハンパなく、映画化の仕方によればもうホラー映画の域にも達しそうな事件。

 

しかしこのテッド・バンディという男、犯罪そのものも異常だが、捕まってからの異常性も際立っていて、脱獄も2回し、裁判も弁護士をやとわず、自分で自分を弁護するという離れ業をやってのけた。

 

2019年公開のこの映画は、捕まってからのテッド・バンディを現在軸にして、回想を追う形で展開される。

 

元恋人の女性がテッドの面会にやって来る。映画はそこから始まり、彼女との出会いから、優秀で子供好きな優しい恋人の顔と、もう1つの裏の顔である邪悪で凶暴で変態的な面を描いていく。

 

シリアルキラーものは殺人の場面が主になるが、こちらは殺人そのものの場面は少な目で、残虐なシーンはほぼ無いに等しい。見方によれば、さほどの異常性は伝わってこないかもしれないが、主演のザック・エフロンの熱演が、犯人の異常性や卑怯な人間振りをみごとに表現してくれた。

 

見どころは後半の裁判のシーン。テレビ中継もされた、まさに劇場型裁判。自分の弁護を自分でする様子は、視聴者の女性たちが惚れたというわけのわからない現象を起こしたほど。

検察とのやりとりはなかなか興味深く見れる。裁判官が最後に言った「君は優秀だ。弁護士として会いたかった」という言葉がすべてを物語っている

 

 

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こちらは2002年公開の映画。
上記と違って、捕まるまでがメイン。
つまりおぞましい殺人の手口が延々と流される。
現実どおり首を切り落としたり、その変態ぶりが、もうわかったわかった…っていうほど伝わってくる。
恋人も、美化されている感のある上記と違って、いつ殺されても不思議でないような存在に見える。

 

怖さを感じるのは、いとも簡単にあっけなく捕らえられてしまう女性たち。
決して誘惑されているわけでもなく、人助けのつもりで手を差し伸べてしまった彼女たちにまったく非はない。

だからこそ、全米中が怒ったのだろう。

 

リアルさでいえば、こちらの映画の方が断然そうなのだけど、映画としての面白さや評価は2019年版の方が高いと思う。

 

ドキュメンタリーでない限り、やはり映画は基本的にフィクション。先日書いた「永遠に僕のもの」(この題名正直気に入らないんだけど)も、凶悪振りよりも違うところに視点をもっていっている。


描き方次第で、実在の犯人たちはいろいろなイメージに変化する。
犯人の異常な下半身依存も、2019年版は病的な異常。
2002年版は狂気的な異常。
という印象を受けた。

でも今回、何よりも恐ろしかったのは、2002年版のラストの死刑執行の描写。電気椅子に座るまでの段取りなんかがかなり細かく、リアルだった。
犯罪抑止になるんじゃないかな。みじめさと人生終わった感がすごい…。