もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

ワニの恐怖より日本人にはリアルな恐怖「クロール 狂暴領域」

サメやらワニやらのパニックホラーは、単純明快な食われる怖さ。
でもそこにプラスアルファが加わると、見ごたえのあるストーリー展開になる。

 

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夏に見たロストバケーションは、サメとの戦いもさることながら、海の美しさとサーフィンの楽しさで見せてくれた。

 

今回は、巨大なワニとの戦いなんだけど、プラスアルファは川の美しさではない。川の怖さだ。

 

ハリケーンが襲ってきたフロリダで、競泳選手のへイリーの元に姉から電話がかかってきた。避難命令が出ているにも関わらず、実家の父と連絡がとれないという。

 

様子を見に行くため、帰りに実家に立ち寄ろうと車を走らせるヘンリーだったが、暴風雨はどんどんひどくなり、ついに通行止めに。

 

警官の静止を振り切って実家にたどりついたが、そこに父の姿はなかった。飼い犬を残したまま、父はどこへいったのか。

 

ふと思いついたヘンリーは、かつて家族がまだ仲良く暮らしていたころの空き家に向かう。予想通り父の車を見つけるが、やはり父の姿は見えない。

 

しかし、飼い犬が地下室で倒れている父の姿を発見。血だらけになっている父をわけがわからないまま地下室から運び出そうとしたが、そこには恐ろしい奴らが跋扈していた。

 

結果的に、彼ら父娘はこの地下室に閉じ込められることになるのだが、この映画のもう一つの怖さのポイントは、タイムリミットがあること。ハリケーンにより、地下室が浸水していくのだ。

 

徐々に浸水していく地下室で縦横無尽に泳ぎ回るワニ。ストーリーの流れはサメパニックのパターンと同じなのだが、このハリケーンの恐怖感が加わることで緊迫感は倍増する。

 

特にハリケーンや浸水の怖さを身に染みて知っている私たち日本人には、ワニより水が襲ってくる怖さの方がリアルに感じさえする。

 

必死の思いで地下室から逃れることができた親子だったが、堤防の決壊により家そのものが水に飲まれていくことに――。

 

次いでにもう一つ、このパニック映画の気になりどころを追加するとしたら、誰が助かるか?というのもポイント。

 

このタイプの映画はだいたい仲間はみんなやられ、最後にヒロインが敵を倒して生き残る。しかし、今回は最初からパパと2人。果たしてパパはどうなるのか?

 

パパが一緒なわけは、もう一つの家族のストーリーが絡んでいて、これもまあまあ無理がない程度で良いのだけれど、余計にラストパパがどうなるのか気になる方向へもっていかれる。

 

加えて、重要な登場人物、賢そうな犬。

 

動物好きは、まず「犬は無事でいるのか」「ネコはやられないよな」などという結末を聞いてからその映画を安心してみるという例もあるが。

 

かくいう私も助手席に犬のシュガーが乗って、「何してたのよ、遅いじゃないのよ」って表情でヘンリーを見つめ、ヘンリーが「ごめんなさい」と謝り、「怒らないで」と言った時点で「あー、犬ぅ~やばい~」となったが。

 

さてさて動物好きの結末は。
正直パパより気になり続けた。