もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

前作を見てから見た方が絶対いい「インシディアス 赤い扉」

とりあえずインシディアスシリーズは、日本未公開であろうと何であろうと見なければ。
と、気合をいれて挑んだが…感想を述べるのがとても難しい作品だった。

 

 

まず、怖さを味わいたいだけならおすすめしない。
というのも、過去のストーリーをベースにしているため、前作を見ていないと内容がたぶん頭に入ってこない。

 

見ていても、「あれ、どんな展開だっけ…」と思う部分が多々あるので、けっこう戸惑う。なので、見ている人と見ていない人とでは評価が極端に分かれるだろうし、見ている人の中でも分かれると思う。

 

かつての恐ろしい出来事から10年後、ランバートファミリーは前作の主要キャストがそのまま出演しているので、老けたり成長してたりと歳月を実感できる。

 

大学生になったダルトンは、絵を本格的に学ぶため家から離れた大学で寮生活を始める。父親は原因不明の記憶障害を患い、家族の仲もぎくしゃくしている状態。

 

そんなある日、ダルトンは授業で感情の赴くまま扉の絵を描く。それをきっかけにして、彼は奇妙で不気味な怪奇現象に見舞われることになる。

 

ホラーでありながら、父親や親子をテーマに据えてあるので、怖さはさほどキツくなくドラマ感が強い。これまでの作品に比べてエンターテインメント性は確かに弱い。

 

ただ、独特の暗い雰囲気がいい感じに映画の中に引き込んでくれるし、ついつい目がいってしまう登場人物の背景の描き方なんかは、「あーインシディアスだあ」と楽しませてくれる。

 

お父ちゃんが医者に勧められた神経衰弱を試すため、表に面したガラス扉の枠の中に1枚ずつ家族の写真を貼るのだが、それをひっくり返したり戻したり、イラつきながら全部べりべり剥がしていったりするたびに、人の影が見え隠れする場面は絶妙だ。

 

死霊館のシスターの雑誌の場面に近い高揚感を感じる。あー来るぞ来るぞー、みたいな。

 

自分としては、低く評価をつけるつもりはないが、ただ「?」というところもあったのも事実。

 

お父ちゃんの側でうろうろしていた霊は、いったい何がしたかったのかもよくわからないし、トイレでゲロ吐きまくってた霊も怖がらすためのとってつけたような存在に感じてしまう。
その他もろもろ、ネタばれしてしまうので詳しく書けないが。

 

いや、しかし。
とやかく言うまえに、もう一回ちゃんと見直そう。これはランバート家のファミリーにまつわる物語なのだから。評価はちゃんと全体のストーリーを把握し、理解した上で出すべきだ。