ケイト・ブランシェットのことあんまり好きじゃない。
何か受け付けないものがあるので、映画もほぼ見たことないが。
この映画はすごかった。
欧米の歴史ものは、衣装やセットを見ているだけでも楽しいので、内容がいまいちでもダラダラ流していられる。
でもダラダラしていられませんでしたね。
エリザベスという人物が魅力的すぎて。
まだ少女といえるような頃から、貫禄のラストまで、女王エリザベスの存在に惹きこまれた。かもしだす雰囲気とかオーラが徐々に変わっていく感じがビンビン伝わってくる。
女王になってからも、最初のオドオドした感じは可愛くて「頑張れ」と声をかけたくなる。数々の裏切りや政治の駆け引きによって、日々凄みを帯びてくる目つきや表情。
まあ境遇があまりにも違うけど、年くうってこういうことなのだなと思ったりもする。
「女性は強い」なんて簡単な感想がすぐに出てきそうだが、女性の強さは心にある。
どうしても感情が先にたって、まわりが見えなくなってしまうのは女性の弱点。
でも、引きずらない心、切り替えが早い心はめげない心につながる。
心をコントロールできれば、またそれを利用するこもできれば、鉄の女になれる。
だから旦那が先だっても長生きできる。
ただ、それには賢さも必要。
まわりを見る。状況を見る。先を見る。
そうすれば最強の鉄の女になれる。
現代の鉄の女たちの元祖ともいうべき人物像を、名女優の力でみごとに魅せてくれた。
自分にとってケイト・ブランシェットはアクの強い植物で、毒草にもなり薬草にもなる。
毒の部分にあたるとしんどいが、薬の部分にあたると壮絶に効く。
このエリザベス薬として強烈に効いた。
また衣装が素敵なんだなあ。
マリーアントワネットはピンクとリボンとひらひらフリルって感じだった。
まあ時代が違うけど、エリザベスの場合シンプルでゴージャス。
変なデザインもあったけど、色合いが個人的には好きだな。
パールやアクセサリーも際立った。
それに比べて、男性のあの提灯ブルマーみたいなのはどうしてもダメだわ。
どんなかっこいいセリフも表情もちょうちんブルマーで炸裂するわ。