もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

海の美しさと怖さの臨場感たっぷり「ロスト・バケーション」

猛暑続きの毎日で家にこもりがちな中、せっかくなので夏のバケーション感を感じさせてくれる映画を見ようと選んだのがこちら。

 

 

サメに襲われる映画なので、内容は全然爽やかではないが、特筆すべきはその海の描写の美しさ。主人公はサーファーなので、透きとおった海の美しさに加え、波やサーフィンの動きのある映像は見ているだけで、夏気分をたっぷり味わえる臨場感。

 

どこまでCGだろうが本物だろうが、どうでもよくなってくる。なんせ美しいのだもの。

主人公は医学生でありながら、母の死をひきずり、医者への夢も投げ出そうとしている女性ナンシー。鬱々とする日々から抜け出し、名前も知らない秘境のビーチへとやってきた。

 

颯爽と海へ繰り出すナンシーだが、そのビーチには恐ろしいヤツが住んでいた。よくあるサメのホラー映画と違い、こちらは大人数を次から次へとサメが襲いまくる展開のストーリーではない。

 

まあ、襲うことは襲うけど。
サメならではのなかなかのグロテスクな状態で、数人餌食になります。

 

物語の主軸になるのは、負傷しつつ小さな岩場に逃げたナンシーとサメとの攻防戦。命に係わるような負傷をしながらも、なんとか生きる術を見つけようとするナンシーと、絶対逃がさんぞと執拗に迫りくるサメとの息を飲むようなシチュエーションが繰り返される。

 

主要登場人物はほとんどこの両者のみ、プラス負傷しているカモメ一羽。こいつがまたいい味出してる!

 

ナンシーの視点、サメの視点、そして空からのドローン的視点など、工夫を凝らしたカメラワークが、ほぼワンシチュエーション映画と思えない流れのあるものにしている。

 

さすがエスターの監督。
あまり期待していなかった分、期待以上に夏の恐怖と美しさを満喫させてもらえて楽しかった。

 

ナンシー役の女優さん、どっかで見たぞと思って調べたら「シンプル・フェイバー」のセレブママだった。とにかくスタイル抜群だけど、あの妖艶ちっくなママと健康的なサーファーはまるで別人。さすが。