もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

楽しい知識と刷り込まれてる不安も解消「残念な理系の常識」

「ざんねんな○○」というタイトルやサブタイトルがやたら目につくようになって、見ただけで手にとる気がうせていた。
なのでこの本もスルーしようとしたのだが、理系のこういう知識本は好きなので一応パラパラとめくってみたら面白そうだったので、読んでみた。

 

 

サブタイトルどおり「日本人の9割が信じている」というのは、大げさでないかもしれない。もちろんこっちがある程度無知でないとそうはならないのだろうけれど「へえ~知らんかった」「え、そうなん?」と、本の思惑どおりの声を上げてしまった。

 

「バナナの皮はほんとうに滑るか」や「実はへんてこだった雨粒の形」などかわいらしいものから、「土に還る素材は自然にやさしいのウソ」や「一割引きと10%還元は同じと思っていませんか」など、え、ちょっと待てよというもの

 

「年を重ねると脳は衰える」「マイナスイオンは体にいい」「運動前のストレッチ」「筋肉痛が遅れてくるのは年のせい」「高血圧の減塩」など、常識として長く植え付けられていたものをひっくり返してくれるのは、驚きとともに爽快だ。

 

まあそういうことも言えるわな ということや、2019年出版の本なのでここ数年の間にすでに広く知れ渡っているものもあるが。

 

宇宙や地球の項目では、温暖化や石油の枯渇など、大きな規模での話でこれもまた興味深い。技術の話になると、未来の予測も入ってくる。

 

AIが人間を超える時が来る――のは近年耳にするが、よく言われるのはターミネーター状態到来で、人と機械の全面戦争になるというもの。でもこの本の予想はちょっと違う。

 

AIはそんなバカではない。
確かに、自分より愚かになっていく人間をわざわざ抹殺しなくても、人は勝手にどんどんバカになって滅んでいくのかもしれないと、違う恐怖を感じてしまった。

 

まさに「ざんねんな」未来だ。

 

この本はいろんな知識を与えてくれると共に、刷り込まれてきた常識を覆してくれることで、不安を解消してくれる面も持っている。

 

思えば、不安をあおる情報はやたらめったら入ってくるし、ついつい耳を傾けてしまうので、バカみたいな情報番組は不安と恐怖をあおり倒す内容であふれている。

 

あおられて刷り込まれた不安は、ほとんどほったらかしなので、自分で解消するしかない。誰にどこで聞いたのかわらない情報は、ほんとに多いなあとつくづく思う。

 

今と昔ではそれが、人伝いなのかネット伝いなのかって違いなのだろうか。SNSの拡散も早いけど、人の噂の力もなかなかすごい。