もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

面白いけど、もったいない!「チャイルドプレイ」と「サスペクト薄氷の狂気」

面白くないか?と言われればそんなことは決してない。
「なんじゃこれ…」という映画に比べたら、「面白い」部類にしっかりと入る。
でも、何か物足りない…と感じた最近見た映画2本。

 

 

チャイルド・プレイ(字幕版)

チャイルド・プレイ(字幕版)

  • 発売日: 2019/11/20
  • メディア: Prime Video
 

 

 

チャイルドプレイ

1980年代の前作に比べて、AI人形と化しているチャッキーなので、喋ったり動いたりが当たり前という設定が新鮮。昔のホラー現象が今や普通のこと。ひと昔前の人が現代を見たらホラーだらけだろう。江戸時代の人が見たらもはや狂気の世界でパニック。

 

主人公の少年は、引っ越したばかりの母子家庭。お母ちゃんは家の中でゲームばかりやっている少年アンディが心配で、友達を作るように躍起になってすすめる。
そして、流行の友達人形を手に入れ、アンディに与える。

 

「子供用だ」とあまり喜ばないアンディ。それでも次第に人形チャッキーと打ち解け合っていく。しかし、このチャッキーは数ある人形の中で唯一、呪いの仕掛けが施されているものだった。

 

チャッキーの存在がきっかけで、友達もでき、近所のおまわりさんとも親しくなったアンディだが、チャッキーがかなり変な人形であることに徐々に気づき始める。
そしてついに、ある日アンディへのプレゼントとしてチャッキーからおぞましいものが――。

 

 

映画として面白いのだけど、どうも何か物足りない。
何か物足りないのかと考えるに、キャラ使いがもったいないのではないかと感じる。

 

友達たちがアンディに協力して、ラストの場面ではいっしょに戦ってくれて、とどめまでさしてくれるのだが、それまでの交流が薄すぎて、なんか響かない。おまわりさんの存在もすごく大きいのだが、彼自身との関わりがとってつけたようで、なんか薄い。

 

アンディに寄り添い関わって、巻き込まれていく相棒は、おまわりさんか友達たちかどっちかでいいのではないかな。

と思った次第。

 

サスペクト薄氷の狂気

 

 

サスペクト-薄氷の狂気(字幕版)

サスペクト-薄氷の狂気(字幕版)

  • 発売日: 2020/01/24
  • メディア: Prime Video
 

 

 

若い女性を狙う連続殺人。捜査官マーシャルの活躍で、犯人としてサイモンという男が拘束される。しかし彼は知的障害があるようで、過剰な反応ばかりで女性プロファイラーのレイチェルは尋問に苦悩する。

 

そんな状況の中、新たな殺人が起こる。サイモンの仕業としか思えない状況であるのに、いったいどうやって…。

 

同時展開で、元判事のクーパーという男が、独自に性犯罪者の男たちに対して制裁を加えていた。相棒であるララという若い女性に男を誘わせ、それに引っかかったイヤらしい男の下半身を使えなくするという凄まじいけど小気味よいもの。

 

しかしこのララが連続殺人の犯人と遭遇してしまうことで、マーシャルとクーパーが出会い協力することに。反発し合いながらも共に犯人を追い詰めていく。そして明かされた犯人の正体は――。

 

五郎丸屋 薄氷

五郎丸屋 薄氷

  • メディア:
 

 

正直正体を知った瞬間、「マジで…」とつぶやいた。
悪くはないと思う。そういうのもアリなんだろうけど、どっちかっていうともっとそういう世界観を作ってほしい。こういうサスペンスじゃなくて、もっと狂気の世界を前面に出した独特な雰囲気の映画。

 

で、チャイルドプレイと共通しているのだけど、キャラ使いがもったいない。サイモンの特異性が激しすぎて、一番相手をしているレイチェルの存在が薄すぎる。マーシャル捜査官がサイモンの尋問を担当するか、あるいは主役はいっそレイチェルにしてほしい。

 

そして何よりクーパーとララの存在感がデカすぎる。完全に主役たちを食っている。なんせクーパーは「ガンジー」の「ベン・キングズレー」。性犯罪に対する仕事人のようなこの2人の設定だけで映画が1本できそうだもの。

 

キャラをつめこみすぎて、もったいない。
面白いストーリーと魅力的なキャラだけにもったいないなあ~と生意気にも思ってしまった映画2本でした。