もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

人生で見残さないでよかった「スキャナーズ」

知らずに数十年たってしまった映画。
カナダの映画ということもあるかもしれないし、
80年代初期という時代もあるかもしれない。
なんせ、80年代は他に見るものが多すぎた。

 

 

 

 

浮浪者のベイルは、客の食べ残したハンバーガーをむさぼり食っていた。それを見ていた近くの席の女性たちが露骨に非難の目を向けコソコソヒソヒソ。
イラついた表情で鋭い視線を彼女たちに向けてしまったベイル。
そのとたん、女性の1人が苦しみだし倒れ、もんどりうってもがき始めた。

拘束されることになったベイルは、ルース博士という人物と出会い、実は自分が強力な力を持つスキャナーであることを知らされる。そして、悪事をたくらむもう1人の強力スキャナー、レボックの存在を教えられる。スキャナーたちの命をねらうレボックたちの組織と、ベイルを含むルース博士側の組織との壮絶な戦いが始まる。

 

超能力弁当

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  • 発売日: 2017/11/02
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

超能力者どうしの戦いのストーリーなので、ホラーというよりもSFスリラー。
念じるだけで人を殺したり、相手の脳やコンピューターの中を覗いたり取り込んだりができるので、画像的には派手なものはあまり無い。

 

ストーリー自体もさほど複雑ではないので、1つ間違えば昼寝に突入していたかもしれない。しかしその1つを間違えなかったのですね。
要所要所のつかみがうまい。

レボックが聴衆の面前で人頭を破裂させるという凄まじい場面。電話回線を使いコンピューターをスキャンしていくベイルと、それに気づいて逆に攻撃をしかけ、ベイルの脳を破壊しようとたくらむ敵との攻防。ウトウトしかけると叩き起こされるタイミングがバッチリ。

そしてなんといってもクライマックスの2人の戦い。まったく触れ合うことなくお互いを攻撃し合い、顔や体が崩れていき、出血していく恐ろしい状況。CG無しでのあの凄まじい状態は目が離せなくなるリアル感。

 

そこで明かされる真実も、ストーリーを全然重要視していなかったこちらとしては、「そうだったのか…」と素直な心で驚いてしまった。

 

ザ・フライ」の監督、「エクソシスト」や「インディージョーンズ」の特殊撮影スタッフと知って納得。さすが80年代のパワー。

 

人生において、まだまだ見残している映画はいっぱいありそうだ。とりあえず見てよかった映画だった。
それにしても、レボックの役者さんジャックニコルソンに激似。最初「えっ?」と思ったけど、後で調べるとけっこう激似で有名な人だそうだ。近年の写真で見るとまったく似ていないのにね。

ジャックニコルソンの方が変わらなすぎなのかも。

 

 

ゾンビ映画は今見るとモヤモヤする

ナースの仕事を終えて主人公は帰宅する。家には旦那さんがいて、イチャつきながら次の連休の話なんかをする。ごく当たり前の日々の一日。

しかし直後、主人公の隣で旦那は血だらけになって絶命する。そして主人公を襲う凶器に変貌する。

 

 

 

 

ゾンビ映画ドーン・オブ・ザ・デッド」の始まり。必死で逃げだした彼女は、同じ境遇で命からがら逃げだした人たちと遭遇し、ショッピングモールの中に立てこもる。

 

この映画は同名の名作のリメイクで、邦題では「ゾンビ」。
日本にゾンビの存在を広く知らしめたこのオリジナルを、実はまだ見ていない。モールにたてこもり戦うという設定は同じみたいだが、それ以外は違うらしい。

 

この映画でまず第一に取り上げられる特徴が「走るゾンビ」。
確かにものすごいスピードで追いかけてくる。車の後を全力疾走してくるゾンビをみていると、とても助かる気がしない。

 

それゆえか、このゾンビ映画、ホラー的な緊迫感やグロテスク感ももちろんしっかりあるが、スピード感があってアクション映画的な楽しさも味わえる。

 

プラス、キャラ設定がけっこうしっかりしていて、それぞれがみんなカッコいい活躍をする。ホラー映画おきまりの「絶対こいつ死ぬな」と最初から思わせ、そのために存在しているような軽めのキャラがほぼいない。
なので、「この人死んでほしくないなあ」という情が見ているこっちに湧いてくる。


べつに意識してこの映画を見たわけでは決して無いが、ゾンビに“感染”するという言葉がいちいち耳についてモヤッとする。走るスピードの速さに、感染力の早さを重ね合わせてしまう。


突然家の中に侵入してきた見えない凶器、突如奪われるそれまでの日常は、他人事とは思えない。
モールの屋上から侵入しようとまわりに群がるゾンビたちを見て、「すごい数だ…」と誰かが発した言葉にドキリとする。

 

 

 

当然のように仲間たちの中にも感染するものが出てきて――。
外に出ればあっという間に食われて感染し、自分もゾンビになり、誰かれかまわず殺してしまう。

 

まさに今の自分はモールの中だ。だから外に出ないようにしましょうってことになるのだろうが――。

映画の中の彼らは、モールから外に出ていく。群がるゾンビどもの中を装甲車のごときトラックで突っ切っていく。彼らがくだした決断の結果は――。

 

この映画のラストは、単純なホラー映画のように答えを出してくれない。ゾンビとの戦いの終結を教えてはくれない。だからこそモヤモヤがつのる。


地球は時々、命のふるいをかけて、たくさんの命を落とそうとする。その網目にすがりついて引っかかって生きてくれたのが、今の私たちにつながるご先祖さんたちなのだと思う。

 

自分も、このふるいにいつまで引っかかっていることができるだろうか。

「ピッチ・ブラック」は暗闇の不安をあおってくる

ヴィン・ディーゼル出世作

内容はズバリ「エイリアン」。
エイリアンは宇宙船の中という狭いエリアなので、緊迫感がすごいが、こちらは無人の星という設定。しかし、自由に動き回れないネックがこの映画のポイントととして存在する。そのポイントとは、日の光の存在。

 

ピッチブラック [DVD]

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  • 発売日: 2014/08/06
  • メディア: DVD
 

 

宇宙定期船が事故により不時着し、そこに乗り合わせていたのは、年齢性別職業さまざまな人々。事故ですでに死んでしまった人もいて、残った客たちは9人。

不幸なことに、その星には暗闇に潜む恐ろしい生物が生息していた。
ものすごいスピードで襲い掛かり、そのまま人間を食ってしまう。

 

みすみすやられてしまうとお話にならない。
この旅客たちの中にいたのが、ヴィン・ディーゼル演じる凶悪犯「リディック」。
体型からして力強そうな彼は、かつての手術によって特殊な視力を持ち、宇宙船の操縦もできるという、パワフルの塊のような人物。

 

エイリアンと違って、この星の化け物は暗闇でしか生きられず、日の光に当たると死んでしまうという特性を持っている。その特性により、エイリアンほどの緊迫感は感じないが、映画は独特な暗さと悲壮感を漂わせている。

 

人々の間に常に流れている不信感や不安感が半端ない。なんせ戦うすべを持たない女子供、年寄りたちもいるのだ。

このパターンのお話によくある最後に生き残るのは1人、もしくは子供だけとか、そういう結末がなかなか読めない。

みんな一癖ある人々ばかりなので、誰がどういう結末を迎えるのか予想しにくい。化け物との戦いを交えながら変化していく心情や状況が、とても興味深い展開を作っている。

 

映画がかもしだす暗さが、「絶対助かるよなあ…」というこちらの予想すら不安にさせる。「これ“バッドエンド”には入ってなかったよなあ…」なんてことも過ってしまう。

そして彼らに襲い掛かる決定打。22年に1度の皆既日食の暗闇が、もうすぐこの星を包み込む…

 

化物の恐怖だけでなく、闇に包まれる不安感をあおられる。何も見えない暗さの中で、唯一ヴィン・ディーゼルだけが、暗闇を見ることができる目を持っている。リディックのカッコよさと存在感がこの映画の軸であり魅力。


見終わった後、自分の脳内の「強い男たちランキング」の中に、ヴィン・ディーゼルが加えられ、同時に照り輝くお日様の有難さを実感できる映画でした。

 

 

2人ともこのままカッコよく年とってね

ようやく「バッド・ボーイズ」を フォーライフまで見終えることができた。

劇場で観たらさぞかし迫力満点で楽しいことだろうと思うけど。DVDでも十分幸せ。
映画を見れる時間がとれたというだけでも幸せ。

 

 

バッドボーイズ フォー・ライフ (吹替版)

バッドボーイズ フォー・ライフ (吹替版)

  • 発売日: 2020/03/20
  • メディア: Prime Video
 

 

 

とにかく何も考えずに楽しめる。壮絶なアクションとコメディの応酬は最新作まで変わりなくて、嬉しい。バッドボーイズ2が2003年の公開だから、恐ろしい月日がたっているのだけど、ウィル・スミスの若々しさはやっぱりすごいね。

 

マーティン・ローレンスの太っちょぶりには驚いたけど。正直、バッドボーイズ以外見る機会なかったんで。最初ウィルスミスが助手席に別の人乗せてんのかと思ったもん。

 

2人のおきまりのコントのようなやりとりも懐かしくて楽しくて。
相変わらずのお下劣ジョークも笑える。
個人的には「バッドボーイズ2」の電気店での場面が相当お気に入り。あのマーティン・ローレンスの表情が絶妙に笑える。

 

3作のうち、一番ファミリー向けはどれ?と言われると、この最新作かな。なんか丸いんですね。どこがと言われてると困るけど、全体的な雰囲気が。

だって、マーカス(マーティン・ローレンス)に孫ができるとこから始まるんやもん。
家族大好き刑事のマーカスに加えて、いちだんと親子とか家族とかのつながりが深くなっている刑事たちが、身近ではあるけど、正直少し寂しかったり切なかったりもする。

 

仲間から家族へとシフトが変わったような感じがした。まあ、新しくカッコいい若い仲間たちも登場して、活きの良さは十分なんだけど。

 

 

バッドボーイズ2バッド (字幕版)

バッドボーイズ2バッド (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 

カッコよく年をとることは、これからの私たちにとっても生きる課題の1つだと思っているので、映画の中の人物や役者さんたちの様子はとても気になるし参考になる。

 

自然体でカッコいい年配の人に出会うと、嬉しくなってじっくりと観察してしまうけど、カッコよく年をとるとは、若作りすることではないし、自然体でいるということは、ほったらかしということでもないと思う。

 

その辺の境目はなかなかむずかしいものだ。自分を客観的に見るのは年齢に関わらずむずかしいものだなとつくづく感じる。

 

危険な任務から足を洗い、家族との時間を楽しみたいと望むマーカス。まだまだ現場で暴れたいマイク(ウィル・スミス)は、若いにーちゃん刑事とお互い反発し合う。

微妙な年齢にさしかかった2人の言動は、1人の人間の中にある2つの心を見ているようだ。

 

最近物忘れと失敗が多い。
ダンナの好きなカルピスをどこにしまったか忘れて、今朝も手洗いの洗濯ものをゴリゴリとおまかせコースで洗ってしまった。
なに、だいじょうぶってことよ。ジャパンメーカーの洗濯機ならおまかせできるわ。

 

 

 

 

 

セクシーなのにエロくない二人の女スパイ

「レッドスパロー」と「アトミックブロンド」

どちらもR指定のこの映画。どんなにエロカッコイイんだろとワクワクして見た。

結果、男が喜ぶエロさは無い。

絶妙なプロポーションと美しさに見とれてしまう、その戦いぶりに目を見張る、仮面のような顔に隠したしたたかさに舌を巻く。

これはまさに女たちが喜ぶスパイ映画です。

 

 

「レッドスパロー」

公演中の事故でバレリーナの道を閉ざされたドミニカは、その美しさ故かレッドスパローになることを強要される。レッドスパローとは、ハニートラップ(色じかけ)のスパイのこと。

 

その養成所に入るのだけど、なかなか凄い内容の授業で…(^^;)
偏見かもしれませんが、雰囲気が実にロシアっぽい。
この辺りがまさにR指定なのだろうなと。

 

彼女に与えられた初仕事は、CIAの捜査官と接触し情報を聞き出すこと。
後半からはまさにドミニカのエロカッコよさが存分に堪能できる内容。
で、もう1つのR指定要素だと思うんだけど、かなり容赦ない制裁や拷問の場面。女だろうと関係ない壮絶なスパイの世界に息を飲む。

 

レビューでもよくあがっているのだけど、この映画で面白い部分が1つあって、ドミニカのおじさんがプーチンに激似。かなり小ズルいしたたかで嫌なヤツなんだけど、なんかものすごくリンクする。絶対わざとだな。

 

 

 

「アトミックブロンド」

正直、もっとアメリカ―!っていうド派手アクションなのかと予想していたが、ちょっと違って、リアルな格闘アクション。ジョンウィックに携わった監督というのが納得できる、ベルリンの壁崩壊時のドイツが舞台の影と暗さを持つ壮絶なアクション。

 

ロレーンを演じるシャリーズ・セロンの格闘シーンはすごい。突然履いていたハイヒールを脱いで隣の男をぶちのめす。それがまたカッコいい。並の男相手だったら一撃で殺されるな。

 

それに戦いのシーンがけっこうリアル。ボロボロになっていくロレーンや瀕死の状態でもつかみかかって来る敵の男たち、飛び散る血や壊れていく正常な動きや神経がとてもリアルで、このへんもR指定に含まれるかな。

 

レッドスパローのドミニカに比べロレーンは年期の入ったベテランスパイなので、見ていて安心感があるし、たとえばファッション面なんかでも、どちらかというと私らの年代が参考にできるのは、シャリーズ・セロンかもしれない。40代であの美しさとプロポーションは奇跡が起こらない限り真似のできないものなので、あくまでも参考ということで。

 

 

 

美しい裸体を惜しげもなく披露している二人だけど、男が喜びそうな際どい絡みのシーンはほとんど無い。(ロレーンの濃厚なキスシーンやベッドシーンの相手は女性)

 

それゆえ、この映画のR指定は別のところに存在するように思う。
国というものの非道さ、それに翻弄され利用される女性たち。
女性がもっと活躍する社会!とかなんとか声高らかにほざく男たちの、なんとスケベなことか。

 

国や世の中が非常時になった時、一番苦しい思いをするのは女子供だっていうのは、いつの時代になっても変わらない。

 

本当のところ、ドミニカやロレーンがカッコいいのは、彼女たちの頭の良さ。女を武器に、力を武器に戦っているけれど、そのしたたかな賢さで勝利をつかむ。彼女たちの仮面のような顔にひそむプライドが、何よりも壮絶にカッコイイ。

 

 

 

久々に「怖っ…」と言葉が漏れ出たホラー

最近、自分にとってホラーは、喜びながら、笑いながら見るものになりつつあった昨今。

久々に食い入るように見入ってしまった。

これはなかなかキタぞ。

 

ジェーン・ドウの解剖(字幕版)

ジェーン・ドウの解剖(字幕版)

  • 発売日: 2017/10/04
  • メディア: Prime Video
 

 

解剖室という密閉された空間だけで、この映画のほとんどが終結する。

主要登場人物は二人。ベテラン検死官とその息子。

この二人と共に、見ているこちらも一体の死体と共にこの部屋に閉じ込められる。

 

あるアメリカの田舎町で一家三人が惨殺される事件が起きた。映画は無残な殺人現場を警察が調べる場面から始まるが、目をそむけたくなる遺体が散らばる中で、地下からなぜか半分土に埋まった美しいとさえ言いたくなるような若い女性の遺体が見つかる。

 

家族との関係もわからない身元不明の死体はジェーンドウと呼ばれ、検死官親子の元へ搬送される。

このジェーンドウというのは、ジョンドウの女性バージョンの呼び方で、ジョンドウというのは、日本でいう“名無しの権兵衛”さんと同じ意味の使われ方をする通称。つまり“名無しの権子さん”の解剖という題名ってことになる。

 

で、このジェーンドウの解剖が始まっていくのだが、前半は普通の解剖シーンが淡々とこなされていく段階。普通といっても、内臓系がバンバン出てくるからなかなかの迫力。ちなみにカップラーメン食べながら見ていたんだけど、苦手な人は飲食無しで見た方がいいです。

 

しかし、実際は解剖するごとにおかしな部分がどんどん発見される。死後硬直もしていない、生きているかのように流れ出る血液、何の外傷もないのに損傷している骨や内臓…

不審を抱きながら解剖を進めていく親子だったが、次第に部屋の中で不可思議な現象も起きはじめて…

 

 

 

 

ものすごく怖い化け物や、これでもかあー!という驚かせ方はほぼないのに、じんわりとくる怖がらし方の雰囲気づくりが絶妙。

ラジオから突然流れてくる混線したような童謡みたいな歌、効果的に使われている廊下のカーブミラー、収納されている普通(?)の遺体…

 

突然の停電は画面も真っ暗になり、親子の困惑する声だけが聞こえる。そのうち聞こえてはいけない音が聞こえたりして、パニックになる親子の声…

 

カップラーメンの手が止まり「怖っ…」と思わずつぶやいてしまった。

 

何が起こっているのかまったくわからない怖さ。再び明るさを取り戻した部屋には大人しくジェーンドウが横たわっているだけ。

いったい彼女は何者なのか、結末がどうなるのかまったくわからない状態でどんどん引っ張られていく。

 

結末や彼女の正体がわかってきても、そんなことはまあどうでもいいじゃないかと思えるほど、楽しませてもらえた。

 

映画を観た人、みなさんきっと同じ意見だと思うけど、インパクトが凄くて目に焼き付いてしまうのがジェーンドウの顔。最後まで微動だにしないあの美しい表情…。

 

 

ジェーン・ドウの解剖 [DVD]

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まだまだ何か企んでいそうなジェーンドウに期待してしまう。

 

 

新人刑事の視点で「デンゼル・ワシントン」の恐さを味わう

まったく別人の俳優さんが、頭の中でゴチャゴチャになり同一人物かしているという場合が時々ある。

 

私の場合、「デンゼル・ワシントン」と「ヴィン・ディーゼル

全然違うだろ――と言われそう。確かにそう。「デ」の字がそれぞれ苗字と名前の頭についているという共通点とも言えない共通点。

だから顔を見たらわかるんですね。別人てことが。
でも名前が頭の中でゴッチャなので、出演作がめちゃくちゃ混じってしまっていた。


ワイルドスピード」に出てたの誰だっけ?って聞かれると、「デンゼル・ワシントン
マルコムX」は?ってなると「デンゼル・ワシントン
だいたい基本全部「デンゼル・ワシントン」になってしまっていて、なぜかヴィン・ディーゼルは出てこない。どういう認識になっているのか自分でもよくわからなかったのだけど、この映画ではっきりと認識したという自分にとってだけの記念すべき作品。

 

トレーニング デイ 特別版 [DVD]

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  • 発売日: 2010/04/21
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デンゼル・ワシントン」がアカデミー賞主演男優賞を獲得した映画。

ロス市警の麻薬捜査課に配属された新人刑事ジェイクが組むことになったのは、「デンゼル・ワシントン」演じるベテラン刑事のアロンゾ。期待と不安に溢れたトレーニングデイが始まった。しかしベテラン刑事のアロンゾの指導はジェイクにとっては想像を超える常軌を逸したもの。

麻薬が当たり前のように飛び交うギャングの街での、麻薬捜査がどんなものなのかという現実を教えていく。

ありがちなバディ映画として見ていると、反発しながら着いていくジェイクが次第にアロンゾに理解を示していき心をかよわせて、結果的に悪を退治するというストーリーを予想する。

しかし、この映画はそんなふうに終わらせてくれない…
後味が悪いバッドエンドではないけれど、身もふたもない壮絶なラストを迎える。
とにかく、どんなふうにストーリーが終結するのか、見届けずにはいられない。

 

 

見ているこちらはジェイクの視点と同じで、アロンゾの言動が何を意味しているのかわからない。連れていかれる場所も「ここは何?」「こいつ誰?」ってことで戸惑いっぱなし。

麻薬捜査に絡んでくる人や街、売人たちが実にリアル。本当かどうか知らないが、実際のギャングが仕切る街で彼らの協力を得て撮影しているとか。

 

なぜこの映画で「デンゼル・ワシントン」と「ヴィン・ディーゼル」の頭の中での住み分けがきっちりしたのかというと、アロンゾ刑事の役柄が異質であったということかも。で、改めて出演映画をチェックしてみたところ、自分の中でゴチャゴチャになっている状態に気づいた。

正直、他の俳優さんたちに比べ、彼らの映画あんまり数を見ていない。基本重たい映画はよっぽど浮かれている時とか、いっそ沈み込んでいる時とか、何気なく見るということがないので、そういう系の出演が多い「デンゼル・ワシントン」の映画は知ってるけど見ていないという作品が多かった。

とりあえずよかった。この映画観て。ちゃんと整理できて。
ピッチブラック」に出てるの誰?
デンゼル・ワシントンの若い頃」と答えて、バカが発覚するところだった。

 

で、その「ピッチブラック」については後日。