もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

ガイ・リッチー好きのための映画「ジェントルメン」

待ってましたの「ジェントルメン」

 

 

クセのあり過ぎる男たちが次から次へと登場して、ハメたりハメられたり、殺ったり殺られたり。
ガイリッチーお得意のクライムアクション。アクション部分は、ステイサムとの映画に任せて、こちらは凝ったクライムストーリーで魅せる。

 

冒頭いきなり出てくるおしゃれなパブ。煮卵みたいなうまそうな卵一個とビールをテーブルに置き、妻に電話する男。背後には怪しい人影が忍び寄り――。


インテリア、それを捉えるカメラワーク、男たちが着るスーツやジャケットのセンス。もうとにかく何もかもおしゃれだ。これを見るだけでも、ストーリーそんなに面白くなくてもいいと思ってしまうもの。

 

 

 

 

学生の頃に大麻の売買の才能に目覚め、大麻キングの地位に上り詰めたミッキー。彼のストーリーを語るのは、怪しい私立探偵。聞き手はレイモンドという男。

 

ストーリー運びは前半、私立探偵の会話の中で進行する。
なので時々訂正シーンなんかがあったりする。酒を飲んだり、便所に行ったり、肉を焼きながら話たりもする。そのへんがまたいろいろと凝ってる。

頂点を極めたミッキーだが、突然引退を表明。麻薬ビジネスを売却することに。
そこから始まる悪党たちの金と権力と名誉が絡んだ駆け引き。
とにかくちゃんと見て、しっかり話を聞いておかないとわけわからなくなる。

 

登場人物たちがとにかくガイリッチーならではの、コミカルで個性的なヤツラたち。
スタイリッシュすぎる麻薬王マシュー・マコノヒー。善良そうなチャーリー・ハナム。セコさ溢れるヒュー・グラント

 

傑作なのは、格闘技ジムの集団。悪いことしながら踊るし、それをまたすぐに悪気なくアップするし。もう本当に若いヤツラったらあ、というガイリッチーの愛情。

 

その愛情を役で表現しているのがコリン・ファレル演じる彼等のお世話役のコーチなんだけど、この人がまたバカなのか利口なのかわからないキャラでいい味だしてる。

 

話はどんどん混迷し、ついに死人が出、ますますややこしくなった状態で、現在の状態、つまり怪しい探偵と聞き手の男の場面へと繋がってくる。なるほどそういうことか――。

 

アラジンの実写化で、全然違う側面を見せてくれたガイリッチー。アラジンももちろん面白かったけど、監督自身もファンにとってもストレス発散の「これぞガイリッチーワールド!」を見せていただけて、とってもストレス解消で楽しかったです。