もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

気軽にネットで見れる楽しさと怖さ「夜の訪問者」「カウントダウン」

イギリスの有名な傑作戯曲で、何度も映像化されている名作。

 

 

サスペンスとは言え、けっこう文学っぽい雰囲気漂う古典的作品なので、なかなか見る機会もなく、気合をいれて見よう!という気も起らない。無料配信がなければ最近映像化されているなんて知らなかった。

 

ましてやBBCのドラマ映画なんて。こんな名作を気軽にネットで見れるのだからほんとにいい時代になった。

 

こちらはほぼワンシチュエーションに近い設定で、舞台は1900年代前半。ファッションや小道具みているだけでも楽しいので、面白くなくてもいいやとボケーと見ていたが、毎度のごとく気が付けば釘付け。

 

見るからに裕福な実業家の屋敷で、娘の婚約を祝う席が設けられていた。工場主の夫婦、娘とその婚約者、ひねくれ坊ちゃん感満載の弟。金満感にあふれる幸せな雰囲気の中、一人の訪問者が現れる。

 

グール警部と名乗るその人物は、その日一人の若い女性が自殺したことを伝える。事情を調べているが、彼女は以前こちらの工場に勤めていたということを知り、話を聞きに来たという。

 

話が進むうちに、死を選ばなければならなかったほど貧しく追い詰められた彼女と、何不自由ない金満ファミリーが次第に繋がっていく。凝ったストーリーではないが、グール警部の無表情で淡々とした事情聴取が、勧善懲悪ドラマを見ているようで小気味よい。

 

グール警部が去り、物語は終結すると思いきや、事態はまだまだ治まらない。予想外の展開が待っていて、ラストは「えっ?」ということになり、きっと気に入らない人は気に入らないだろうなという終わり方。私はけっこう好きですが。

 

カウントダウン(字幕版)

カウントダウン(字幕版)

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ネット社会になったから楽しめた映画、もう一つ。
こちらはネットをテーマにしたホラー。

 

ある晩若者たちのパーティーで、1つのアプリが話題になる。
「余命宣告アプリ」
もうそれだけで、すべて映画の内容が把握できる単純明快なホラー。


ダウンロードした彼らは自分たちの老後の年齢を見て盛り上がるが、一人だけとんでもない余命を告げられた女性がいた。その瞬間から、アプリは刻刻と余命の時間をカウントダウンし始める。

 

さほどグロテスクさは無いホラーで、ストーリーも単純なので見やすい。
面白いのが、ほかのホラーと違って、ある特定の人物に起こる怪奇現象ではなく、ダウンロードしてしまった人たちがあちこちに大勢いることだ。

 

彼らは恐怖にかられて動画を配信し、助けを求めて泣きわめくが、誰も信用しないのだ。逆にフェイク画像だと嘘つき呼ばわりされ叩かれまくる。

 

一人一人の人間が実際にいつどこで死んだかなんて、誰も確認しないだろう。だから本当かウソなのかもわからない。


このアプリの余命というのは、運命なのか?「ファイナル・ディスティネーション」のように、逃れられないものなのか。

 

とすれば、ダウンロードさえしなければ余命を知って恐怖にかられることなく運命を受け入れて死んでいったのか。
神か悪魔か化物ですらも気軽にネットに参加してしまう社会を面白がっているようだ。

 

心霊関係の方々が電気を操るのが得意というのは、周知の事実。電気消したりつけたり電話かけたりもするものなあ。携帯関係の怪奇話も多い。思えば貞子もテレビから出てきたではないか。

 

コロナ期ならではのこちらも面白かった。

 

ズーム/見えない参加者 (字幕版)

 

 

てことで、
気軽に見れる楽しさと怖さを実感させてくれる面白い映画2本でした。