もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

「完璧な家」でラストはざまあみろという気持ちになる

読んだとたんに「これは絶対映像化されるな」と思ったサイコサスペンス。

 

完璧な家 (ハーパーBOOKS)

完璧な家 (ハーパーBOOKS)

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ジャックとグレース夫妻の家で催されたホームパーティーの場面から物語は始まる。
弁護士でハンサムなジャック、料理の腕も抜群で夫に心から愛されているグレース。

非の打ち所がない完璧な幸せを手に入れた夫婦として見られている2人だったが、そこには地獄のような秘密があった。

 

ベストセラーでありながらも、宣伝用に紹介されているこの本のあらすじや解説はとても薄い。しかし読み始めるとその薄さがわかってくる。詳しく書けないのだ。

 

ホームパーティーが終わったとたん、2人の会話の内容や雰囲気が一変する。
そしてそこからじわじわとこの完璧に見える家の秘密が暴かれはじめる。

 

確かに詳しく知らなければ知らないほど楽しめると思う。グレースとジャックとの出会いから始まる過去と、ホームパーティーを起点として進んでいく現在進行形の出来事が交互に語られていく。

 

あらすじにも紹介されているのでバラしてもいいと思うが、グレースはこの完璧な家の中で監禁状態で暮らしている。なぜ逃げ出せないのか?パーティーまで開いているのに?誰にも助けを求めないのか?

 

その理由が過去の章を読んでいくことで、次第にわかってくる。必死で逃亡を試みるグレースとそれを阻止するサイコな裏の顔を持つジャックの攻防戦が読者を引き込んでいく。

 

なかなか反撃に出られないグレースにいらいらしながらも、絶対勝つだろうラストの展開を早く知りたくてどんどん読み進められる。

 

そして過去と現在の章の時間がどんどん縮まり、一致した時点で物語はお待ちかねの結末を迎える。

 

ラストにはいろんな意見もありそうだが、それはそれ。とにかく終わってホッとしたという感じ。「ざまあみろ」というのが読者の一致した意見でしょう。

 

これがデビュー作とはびっくり。家にこもらざるを得ない異常な暑さの数日、しばし作者の手のひらの上で楽しませていただきました。