もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

「鑑定士と顔のない依頼人」でミステリーを楽しみながらいろんなことを考えた

ミステリー・どんでん返しとして評価の高いこの作品。
見たとたん、「誰だっけえー?絶対知ってる」と主人公のおじさんを確認したところ、「あー、バルボッサあ!」
そうでした。ジャック・スパロウの宿敵バルボッサ船長。
ちなみにパイレーツオブカリビアンは、やっぱり第一弾が一番好きです。

 

 

変人感たっぷりの天才鑑定士バージルがバルボッサの役どころ。
彼のひそかな楽しみは、自ら集めたあるコレクションを眺めること。
この時点で、あーこの人はちょっと変わっているのだなあと感じる。

 

そんな彼が、ある大仕事の依頼を受ける。
資産家の両親が残したお屋敷の中にある家具や絵画を鑑定してほしいというもの。

 

めぼしいものも発見し、意気があがるバージルだったが、奇妙なことにこの仕事の依頼人であるクレアという女性は、人嫌いという理由から姿を一切見せない。

 

この時点で見ている側は、かなりこの人物を訝しみ、その容姿に興味を抱く。
それはバージルも同じで、彼はこの女性の正体を知りたくて盗み見ることをたくらむ。

 

どんな悪人か化け物かと思いきや、クレアは意外にも美しい女性だった。ただちょっと変わっていた。

 

しかし、次第に心を通わせていくバージルとクレア。交流の中でお互いの変人の部分を徐々に克服していくかのように見えたが――

 

これは絶対伏線だ、こいつは絶対怪しい、など見ている方は自分なりに騙されまいと防御しながら見るのだが、けっこうしてやられる。予想どおりの部分も多いがそれはそれで楽しめる。

 

ものすごく手の込んだ物語を描いていて、映画ならではのミステリーの醍醐味を味わえる。この結末を見せるために、監督によって仕組まれたストーリーだったのだなと気づく。

 

現実の無さとか、もっと手っ取り早くできただろうという意見は無粋だ。
あの驚愕のワンシーンと出会うためだけにこのミステリー映画は作られた。

 

いろんな感想が浮かぶが、どの感想を述べてもネタバレになるので言えない。のが、もどかしい。

 

「幸せって何なんだろうなあ」とか
「人生のスキを突かれるって怖い」とか
「自分のそばにいてくれた大切な人に気づこう」とか

なんかいろんなことを思った。