ずっと以前に見て面白かったという記憶があるので、久しぶりに見てみると、やっぱり面白かった。
当時ホラーという認識で見たのだけど、どちらかというとSFで超能力もの。この映画はカメラ目線のモキュメンタリ―なのだけど、まったくそういう記憶がなかったので意外だった。
ある出来事に遭遇してしまったために、超能力を手にいれてしまった三人の高校生。ストーリーはその中のアンドリューの記録映像を中心にして展開していく。
手を動かすだけで、物を動かせることに気づいた三人は、女子のスカートをめくったり、スーパーでぬいぐるみを動かしたりといたずら程度のことで楽しんでいた。
特にアンドリューは家庭での虐待、内向的な性格で友達もいなかったことから、この出来事が転機になって良い方向に進んでいるように見えた。
しかし、超能力はその程度の力では治まらず徐々に進化していく。次々にとんでもないことができるようになった彼らは毎日を楽しんでいたが、ついにやりすぎの領域に突入してしまう。
それがきっかけとなり、三人の関係に溝ができ始めるが、中でもアンドリューはだんだんと過激さを増していき――
ラストの衝撃がずっと記憶に残っていたのだけど、やっぱり何度見ても衝撃だ。ストーリーは単純なのだが、カメラ目線のリアルさと次々と展開していくストーリーが飽きさせない。
アンドリューの自信なさげな表情が、超能力とともに明るくなり、次第に自信に満ちて凄みを帯びた顔つきになり、ラストは狂気をみなぎらせていく様が壮絶。
若者の悪事やいたずらは、ちょっと調子に乗っただけ、若気の至りというものがほとんどであるはずなんだけど、たまにシャレにならないことをするヤツがいる。
そこから転落していく場合も多いけど、アンドリューの場合もその感じ。ちょっとしたやんちゃ坊主から本物の悪人へと暴走していく彼の背後には、彼をそうさせた何かが見え隠れする。
ハッピーエンドでもなく、胸糞映画というほどの後味の悪さもさほど無く、切なさ混じりの気持ち悪さの中に、爽やかさすら感じる奇妙な映画だった。ある意味すごくホラーなのかもしれない。
そういえば、キャリーも超能力映画ではなくホラーの部類に入ってるよなあ。