もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

可愛くて可哀そうで笑った笑った「キサラギ」

ずーと気になりつつ、見る機会に恵まれず、気になっていた映画。
ようやく見た。

 

 

最初から最後まで1つの部屋で展開する推理劇。
登場人物は、ほぼその部屋に集まった5人だけというお芝居のようなこの設定は、個性的な役者さんの顔触れで成り立つ。

 

1年前に自殺したグラビアアイドル「如月ミキ」
彼女のファンサイトの常連5人が、小栗旬演じる「家元」の呼びかけで集まる。

 

みんなで楽しく生前のミキちゃんを偲ぼうという目的を企画していた家元だったが、そのうち一人が発した「本当に自殺だったのか?」という疑問から、事態が急変していく。

 

それぞれが持つ情報、推理によって、ミキちゃんの死がどんどん自殺から遠のいていく。見ている側は、絶対殺されたんだなと期待して見ている。

 

とはいえ、推理するだけで時間が持つのか――?と思っていたが、予想以上に練られたストーリーと、個性派実力俳優さんたちのコミカルでマジな演技に引っ張られ、どんどん惹き込まれていく。

 

この映画の主役は彼等であったことを、展開が二転三転するたびに認識させられる。
ストーリーそのもののおもしろさもさることながら、この空気感、流れ、間、動き――これは映像じゃないと出せない。

どんどんみじめな立場になっていく小栗旬が号泣している場面は、可愛くて情けなくて、ほんと笑った。
どいつもこいつも気持ち悪い部分を持っていて、変なヤツ感を強調していいるのだけど、それが後々すべて納得できる言動だったことに気づかされるのには、感心。

 

映画や本は好みによるし、実際高評価で楽しみにしていたものでも「なんじゃこれ」となるものも多々ある。

 

こればっかりは人によるから仕方ない。
今回は、すっきり爽やか、楽しかったけれど――。
ラストの思わせぶりなワンシーン、いろいろ意見はあるようだけど、いらなかったのでは? というのはあくまで私個人の意見です。