もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

ベネズエラのホラー映画「マザーハウス」

いきなりホラー映画特有の、クライマックス的雰囲気から始まる。

マザーハウス 恐怖の使者 [DVD]

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  • ルディー・ロドリゲス
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血を流し倒れている女性。目覚めた彼女のまわりには割れたガラスの破片。
彼女は立ち上がり、その破片を武器のように構えながらソロリソロリと歩き出す。

 

彼女は誰かを探しているようだ。
そして足を踏み入れた部屋には、深々と首にナイフが刺さった死体が――。
絶叫する彼女、なぜか一瞬目覚める死体、そして部屋の奥からこちらを眺めていたのは――探していた少年。

 

名前を呼ぶ女性の目の前で少年は――。

 

ここから展開が変わり、物語は刑務所から老婆が保釈されるところから再び始まる。ドゥルセという名のこの老婆は、実は冒頭部分の女性の30年後の姿。
彼女は夫と息子を殺した罪で服役していたのだ。

再び戻ってきた荒れ放題の屋敷。
カウセリングを担当した神父は、ドゥルセから聞き出した事件の話に興味を覚える。
本当に彼女が罪を犯したのか――。独自に屋敷のことを調べ始める神父。

 

ストーリーは、老婆のドゥルセと、事件が起きるまでの若き日のドゥルセとその家族の物語を織り交ぜて展開する。
異常に安く売られていたこの家に引っ越してから、次々と見舞われる怪奇現象。
そして家族間のトラブルと悲劇。

 

どういう展開になっていくのかまったく読めない状況の中、後半ある場面から一挙に謎が解ける。

「そういうことだったのかあ!」

 

そこから怒涛の展開。するすると回収されていく伏線。家族の物語や子供たちの友人関係のドラマにちょっとダレていた人は後悔するぞ。しっかり見ていないと後半面白くなくなってしまうのだ。

 

そしてラストはちょっと感動的。
感動するホラーという前振りだけを頼りに挑んだので、
「確かにウソじゃなかった。感動のホラーだ」と納得。

 

一方で、これはホラーじゃないよな。
とも言える。でもホラーだと思って挑まないと面白くない気もする。
ということでやっぱりホラーだ。

 

しかし見るまでベネズエラの映画だと知らなかったので、いきなり浴びせかけられたスペイン語と濃い顔の俳優さんたちにたじろいだ。
やるじゃないかベネズエラ

 

映画は楽しい。
もっといろんな国の映画が気軽に平和に見たいねえ。