もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

時には“かわいい”をプラス「魔女がいっぱい」

最近ディズニー映画とか全然見てないので、“かわいい” が足りない。
ホラーやら犯罪ものばっかり見てないで、たまには生活にかわいいをプラスせねば。

 

 

ホラーファンタジーと紹介されているものもあるけど、これは正真正銘ファンタジーでしょう。まあ子供たちにとってはホラーな部分もあるかもしれない。

 

突然事故で両親を亡くし、祖母と暮らすことになった少年。
ふさぎ込む少年に、祖母は一匹のかわいいネズミをペットとして買い与えた。
すっかり気に入った少年は、芸を教えたり、ポケットに入れて連れ歩いたりと元気をとりもどしていく。

 

そんな折、祖母と買い物にいった店で、少年はヘビを絡みつかせた不気味な女性に遭遇してしまう。

 

家に戻り、その話を聞いた祖母は血相を変える。少年が祖母から聞いた話は、荒唐無稽ともいえる魔女の存在だった。子供を人間以外の生き物に変えていく魔女。そして幼い頃見てしまった大魔女の姿…。

 

半信半疑の少年を引き連れ、知り合いのいるホテルへと避難する祖母。
しかしそこで少年が見たものは、想像を絶する魔女たちの集会だった。
少年の目の前でネズミにされた子供。
そして少年もまた――。

 

この映画、正直真剣に大人が前のめりになって見る映画ではないと思う。
でも子供たちと見るときっと楽しい。
活躍するネズミたちのかわいさに、にんまりしていればそれでしあわせ。

そして楽しむべきは、アン・ハサウェイの大魔女ぶり。
魔女の怖さというよりは、性格の悪い狂ったおばはんぶりを存分に楽しませてくれる。
口を開けば悪態をついているので、おそらく汚い言葉を連発しているのだろうなと想像できる。子供の許容範囲で。

 

きっと演ってて楽しかっただろう。
原作のロアルド・ダールは児童文学作家なので、ストーリーや魔女の定義など子供にとっては面白いと思う。

 

ロアルド・ダールの作品は、大人むけの短編しか読んだことがないのだが、ハッピーエンド!という楽しい作品の印象はなく、けっこうダークで意味不明なものも多かったという印象。

 

なので、この作品のおとぎ話のめでたしめでたし的な終わり方でない感じには、ちょっと納得できる。ロアルド・ダールらしいといえば、そういえるかも。

 

1つ注文をつけるなら、魔女にもっと魔法を使わせてほしかったな。
あんなにたくさんいたのに、ただの変なおばさんの集団で終わらせるにはもったいない。普通っぽさと魔女の対比を強調しているのかもしれないが。

 

高級コース料理を楽しむおばさんの団体って、魔女なのね。