もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

探検と怪奇現象を楽しめるタイトルに合わない贅沢B級ホラー「地下に潜む怪人」

まるで少年探偵団の題名のようなタイトル。
このタイトルを真に受けて地下にどんな怪人が潜んでいるんだと期待する人は見ない方がいい。特に怪人なんていないから。

 

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B級ホラーとはいえ、原題が凝っていて意味が伝わらないというのもわかるけど、もうちょっとタイトルは考えた方がいいんじゃないかな。

 

地下にいるのは怪人というより、得たいの知れない数々の不気味な存在と怪奇現象。
まず見た時、インディージョーンズホラー版だと思った。

 

イランの爆破寸前の遺跡に忍び込み、命がけで暗号を手に入れた考古学者のスカーレット。彼女はかなり強引なのめりこみ突っ走りタイプで、暗号に従い仲間たちと共にパリの巨大地下墓地(カタコンベ)に侵入する。

 

墓地から外れた洞窟へと足を踏み入れた彼らは、そこで恐ろしい怪奇現象に見舞われることになる。前半は特に化け物も怪人も特に登場しないが、洞窟の異常さに気づいていく段階はかなりの緊張感を伴い、引っ張られる。

 

洞窟内で起こる怪奇現象のシチュエーションは、けっこう好みだ。
洞窟の中に忽然と現れるピアノ、突然鳴り響く電話のベル、さりげなく背後を通る人影など、洞窟の暗さと圧迫感は十分な異世界感を満喫させてくれる。

 

当然、この手のホラーにつきものの、グループ全員が生き残るはずないというお約束は守られているが、暗号解読や賢者の石の効力など冒険ストーリーとしても楽しい。

 

確かに口コミでもあるように、説明不足すぎて、なんでそうなったの?なんでわかったんだ?という突っ込みどころは多々あるが、自分の場合はそんなこと正直全然気にならない。ホラー映画は楽しませてくれて、怖がらせてくれればそれでいい。

 

映画でなければ味わえない異世界に連れて行ってくれれば幸せだ。楽しい時間をありがとうと素直に言える見どころ満点の贅沢なB級ホラーだった。