ふざけた映画なのだと思ってみたら、全然そんなことはなかった。
設定は完全なジェラシック・パークのパロディ。
恐竜がいる離島のテーマパークではなく、ゾンビが飼われている離島のテーマパーク。
恐竜は見学するだけだが、ゾンビの場合は撃ち殺して楽しむ趣向。
当然ゲーム感覚で楽しむおバカたちもたくさんやって来る。
なぜこんなおバカたちの島が出来たのかというと、それには一応理由がある。
人類は増えまくったゾンビたちと壮絶な闘いを繰り広げた。それにより出た犠牲者はなんと20億人。
結果勝利した人類が、生き残ったゾンビを島に閉じ込め、そのままテーマパークにしてしまったという設定。
当然大切な人を殺された人々も多く、その恨みをはらすという意味で島を訪れる人も多い。主人公のメラニーも、最愛の父をゾンビに殺されたトラウマを直すため、気乗りしないながらも彼氏と共にゾンビツアーに参加する。
狂喜乱舞で撃ちまくるおバカ。
黙々と射撃にいそしむ人。
復讐、ストレス解消、娯楽、それぞれの思いで銃をぶっ放す参加者たち。
でもメラニーは撃つことができない。
つまりはそれがテーマで、見ているこっちも「それはイカンやろぉ」という気にさせられていく。こういう常識外れの状態になると、それにともなって必ず反対する人々も出てくる。
そして、その人たちによって仕組まれてしまったのが、管理システムの異常。
鎖でつながれ、壁で仕切られていたゾンビたちが、突如解き放たれた。
ここからはゾンビ映画の本領発揮。
始めはジェラシックパークを見ている気分だったのが、気が付くとバイオハザードを見ている気分になっていた。
さて、誰が生き残るのか?
予算がかかっていなさそうな割には、緊迫感もなかなかで、予想以上に面白かった。
ラストにメラニーが見つけてしまうこのテーマパークの衝撃の真実には、「それは絶対イカンやろぉぉ」という笑えない実体も。
単なるコメディではない、笑えない本格パロディはさすがのイギリス制作。
ふざけた設定だけど、決してふざけた印象を受けない見ごたえあるB級ホラーでした。