もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

一番近未来なSFかも「ミッション8ミニッツ」

始め「ハッピーデスデイ」と「トレインミッション」を合体させたようなSFかなと思って見ていたが、話しはなかなか複雑だった。

 

 

いきなり電車の中で目覚めた、というより我に返った男に、目の前に座っていた女性は「助言をありがとう」とほほ笑む。

 

何のことやらさっぱりわからない男。しかも自分がもっていた身分証はまったく知らない人物だった。

 

混乱を極めて電車の中を歩き回るが、そのうち電車は爆音と共に炎に包まれる。
目覚めると、今度は狭い操縦席のような場所で座っている。目の前のモニターには軍関係者らしい女性が写っており、彼女に記憶を徐々に呼び覚ますように誘導される。

 

彼は自分がアフガニスタンの戦場にいたスティーブン大尉であることを思い出す。自分がどうなったのか知ろうとするが、モニターの女性はさっき体験した列車内でのことを執拗に聞く。

 

それよりも自分はどうなって――という間もなく、スティーブンの意識はまたもや列車の中へ。そして再び目の前の女性が言う。「助言をありがとう」

 

再び繰り返されるさっきと同じ時間と場面。そしてまたも巻き込まれた爆発とともに、操縦席に返ったスティーブン。パニック状態のようになるスティーブンに、モニターの女性は信じられないことを告げる。

 

爆発はテロにより本当に起きたことで、乗客は全員死亡。スティーブンはその乗客の一人が残した死亡するまでの8分間の記憶と同期し、犯人を見つけるのが役目。これは軍のミッションなのだと。

 

そこから繰り返される怒涛のような8分間の記憶の連続は、スピーディーで面白い。犯人を捜していく過程と伏線はミステリーで、SFとしての派手さはないが設定はまさにSF。

 

話の展開上、結果スティーブンは悲しい運命をたどるのだろうなあと予想はつくが、話は意外な方向へ。SFを宇宙やエイリアンではなく、脳というものを中心に据えたことで、すごく不思議な世界観になっている。

 

確かに脳の中はまだまだ不思議がいっぱいだし、自分たちが宇宙とどう繋がり、どんな力を秘めているのかもわからない。この映画のラストは正直ちょっとわかりにくいが、わからなくて当然という気もする。

 

脳や記憶をテーマにした映画はいろいろとあるが、この映画がなんとなく一番近未来的な気がした。私たちがとんでもないことと考えていることは、脳にとっては実は何でもないことなのかもしれない。

 

とか、そんなことを考えているのも脳なんだけど。じゃあ意識と脳は違うのかっていう、もうそうなるとオカルトの世界になりますなあ。とりあえず私たちは頭の中にSFを持っているということで、まとめましょう。

 

オカルトで思いだしたけど、モニターの中の女性は「死霊館」のウォーレン博士。そうでした、脳は死霊も見れるのでした。