もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

ロンドン塔の幽霊アン・ブーリンのことを知る「ブーリン姉妹」

歴史的心霊スポットというと必ず出てくるのがロンドン塔。
多くの有名人が幽閉されたり処刑されたりしているが、その中でもこちらも必ず出てくるアン・ブーリン

 

ここで処刑された女性は多いが、彼女が有名なのは王妃にのぼりつめるまでのしたたかさと、何よりあのエリザベス1世の母親であるということだろう。加えて、ロンドン塔に出る幽霊の正体がアン・ブーリンだといわれていることもある。

 

とはいえ、詳しいことはよく知らない。歴史をわかりやすく知るには映画が一番。ということでアン・ブーリンの事を知るにはもってこいの映画だった。

 

 

この映画は、アンとその妹メアリ―の物語で、姉妹そろってヘンリー8世の子供を産んでいる。

 

ヘンリー8世は世継ぎの男子に恵まれずイラついている。どこの国でも同じだが、そこをついて差し出されるのが側室。彼女が世継ぎを産めば差し出した身内の家も取り立てられる。

 

ヘンリー8世に差し出されたのは、ブーリン家の長女アン。日本と違うのは側室という立派な立場に立てないことで、王妃以外は単なる愛人。認知されなかったりあっけなく捨てられたりは普通。とはいえ、本人や身内が得することに変わりないが。

 

しかし、ヘンリー8世が気に入ったのはアンではなく妹のメアリーの方だった。しかもメアリーはすでに人妻。そんなこと国王にとってはどうでもいい。

 

史実ではどうだったのかわからないが、父親が「ただものではない」といわしめたアンの激しい性格とは反対に、気の優しいおとなしめのメアリーが旦那と別れて国王の元に召し出される過程は、気の毒。

 

結局、その後アンのしたたかな策略によって王はアンに魅入られ、後に王妃にまで迎え入れてしまうのだが、そこで安楽に暮らしていたならアン・ブーリンはここまで有名になっていなかったかもしれない。

 

 

歴史の記述というものは、いつの時代に誰に書かれたかによって偏った内容の部分も多いので、2人の本当の性格や思いというのはわからない。実際どちらが姉で妹であったかもはっきり断定されていないようだ。

 

アンが処刑されるに至った嫌疑も、どこまでが本当のことなのかもわからない。おそらく濡れ衣であろうとはされているみたいだが。

 

だからこそ歴史は面白く、謎が多いほど映画や本の描き方もいろいろで面白くなる。

 

個人的にはアン役のナタリー・ポートマンよりも、メアリ―役のスカーレット・ヨハンソンの方が印象に残った。この人の出演作ほぼ見たことがないので記憶になかったが、メアリ―として最初に見た時、あまり綺麗じゃないなあと思っていた。

 

が、だんだんと可愛く魅力的に見えてきて、役柄というのもあると思うが、誰が見てもどこから見ても綺麗な顔立ちよりも、見る角度や表情で可愛くなるメアリーが素敵だった。女優さんの面目躍如というものだろう。

 

でも、どうしても時々、元オリックスの「吉田正尚」に見えてしまうのだが。
どっちに対して失礼だろう。やっぱりスカーレットかな。