ハリソン・フォードのラストインディージョーンズということで、これはぜひ見届けないといけないだろうと、夏休みになる前に早々見に行った。
一般的な老人と比べるのがそもそも間違いなんだろうけど、あの80代は驚異的。
さすがにこれまでインディがやってきたスーパーアクション的な場面は、ヒロインであり補佐的な役目も担うおねーさんが努めていたけど。
ストーリー展開は、文句なしのいつもの冒険アクションの世界観。とにかく最初から若き日のインディーが出てきて、かつてのアクションをCG技術で見せてくれる。
数十年後の本編に繋がる発端の出来事なのだけど、直後に現実に切り替わり、よぼよぼの気力を無くした老人のインディーが登場する。そのギャップは凄まじい。故意にそうしてるんだろうけど、わざわざずり落ちそうなパンツ一枚でたるみ切った筋肉を存分に見せてくれる。
パワフル80代とはいえ、この映画の中でインディーはしっかりと老人だし、冒険に飛び込んでいきつつも、最初から最後まで老人であり続ける。しかしこの映画がすごいのは、その奥にかつてのインディーの姿を感じられることだ。
私自身が何度かジンときたのは、どこかで見たことのあるシーン、かつて見た過去のシリーズの中にあった光景や人物たちを彷彿とさせる場面だ。
それはインディーの人生であり、スクリーンのこちら側で見てきたその時の自分の人生でもある。かつてのインディーを通して、座席にいる人それぞれがいろんな過去の自分や思い出をよみがえらせているに違いない。
つまりはこれまでのシリーズをギューと凝縮して閉じ込めたような最終作。最初から最後までアクションの連続で、いつものSF的要素も存分に楽しませてくれる。聖杯やクリスタルスカルのような最後の遺跡アイテムは、まさに“時”なのだ。
注目のラストは、見ているうちにいろいろなパターンを想像していたけど、自分が予想していたものとは違う結末だった。
「あー、そこに落ち着く感じかあ」
とにかく楽しかった。
インディージョーンズという人生を全うしつつ、まったく違う人物もたくさん演じることのできるハリソン・フォードに拍手。
ただ、今までと比べて面白くないという意見や、年老いたインディを見たくないという声もあることも事実だそうで。
でも、エンドロールでそっと目がしらをぬぐう妙齢のおじさんたちを見ると、こんな終わり方もまた素敵なのではないかと、個人的に思うけど。