もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

ジャンプスケアも薄気味悪さもそなえた「スマイル」

なんとも薄気味の悪いホラー映画でした。

 

スマイル

スマイル

  • Sosie Bacon
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精神科医のローズは、ある若い女性患者を診察する。彼女は始終取り乱していて、普通の人には見えない人物たちが見えると怯えていた。

 

しかもその人物たちはみんなゾッとする笑いを浮かべて近づいてくると。
明らかに妄想を見ているらしき彼女をなだめようとするローズだったが、女性が突然激しい恐怖に襲われ、部屋の中を逃げ惑い始める。

 

そして恐ろしい事件をローズは目の前で目撃してしまう。
それがきっかけでトラウマになってしまったかのようなローズだったが、恐怖はそこから始まった。

 

常軌を逸した出来事が、彼女自身や彼女の周りで起こり始める。
自らも狂気を疑われたローズは、怪現象に一貫性があることを発見し、それを調べ追い詰めていく。

 

ホラーなので、そこそこジャンプスケアのサービスも盛り込まれていて楽しませてくれるが、映画全体になんとも薄気味の悪い空気感があって独特だ。

 

何気ない風景のカメラワークもじんわりと逆さまの映像になったり、不安をあおるような音楽や、決して明るいとは言えなさそうなローズの性格と人間関係が、いちだんと暗い雰囲気を盛り立てる。

 

ローズが原因を追い詰めていく過程はミステリーっぽい要素があるので、どちらかというと超常的内容でいいから、もう少し結末とか正体をしっかりと描いてほしかった。

 

ラストは化け物が正体を現してくれるのだが、なんとなくそれまでの空気感が「ヘレデタリー」から一気に「スケアリーストーリーズ」になってしまった。

 

加えて、彼女の悲惨な過去とトラウマが、この事件にどう関わってきているのかもよくわからない。なんで過去に立ち向かっていくと事件が解決すると思ったのかも謎。

 

も1つ加えて、終盤出てくるローズのお母ちゃんの幽霊が、絶妙なスタイルの下半身パンイチなのにも戸惑った。上半身の気持ち悪さとのアンバランスを狙っているのかもしれないが、どうしてもパンイチに目がいってしまう。

 

自分だったらラストこんなふうにするなあといろいろ違う結末を想像させてくれたけど。まあなかなか濃いホラーで面白かったです。

 

気持ち悪い笑顔の女性がこの映画の宣伝写真になっているけど、あれは最初に出てきてすぐ死んじゃったおねーさんの顔だったんだな。そういうのも珍しい。