幽霊の怖さというよりは、どちらかというとグロさが際立つホラー。
ストーリーは題名そのままのシンプルな幽霊船ストーリー。
突如現れた無人の船に乗り込んでしまったメンバーたちが、恐ろしいものを目撃し、恐ろしいめに合っていくお話。
複雑でない分、どんな風に怖がらせてくれるのかというのがこの手の映画の見どころになる。
海難救助船の乗組員たちに内々に依頼されたのは、突如現れた奇妙な船の調査。なんとその船は40年前に遭難したまま行方不明だった豪華客船だった。
メンバーたちは、その船のお宝を手に入れようと乗船するが、そこで待っていたのは恐ろしい怪奇現象だった。
よくあるのは、難破船や幽霊船を発見するところから始まり、メンバーたちといっしょに何もわからない状態でこちらの視点も船に乗り込んでいくという展開。
いったいこの船は何だろう…と。
しかしこの映画の場合、冒頭にいきなり掴みをぶち込んでくる。映画はこの船に起こった惨劇から始まるので、メンバーたちが乗船していく時点で見ているこちらは、すでにあの状態が待っていることを知っているわけだ。
逆にいえば、あの冒頭のシーンがなければ特別なインパクトが無いよくあるホラーといっていいかもしれない。
当然この映画は、「ああアレね」「あのピアノ線スプラッターね」と冒頭場面が有名みたいだ。
とはいえ、ただの掴みではないのが面白いところで、まだ生きている豪華客船の登場人物たちを記憶にとどめるのはこの映画を鑑賞するポイントになる。
彼らはもちろん幽霊となって登場するし、ファイナルガールである主人公といっしょに40年前の事件の謎解きも楽しめる仕組みだ。
待ち受けるラストは確かに衝撃的だが、展開や動機が唐突すぎて、正直ちょっと混乱したけど。
思えば、この手のスプラッター場面を始めてみたのは、「キューブ」だった。なかなかの衝撃で、自分にとってキューブといえばあの場面という印象だ。
そして次に見たのが「バイオハザード」
レーザーストラップもいちだんと進化して、みごとな切れ味を見せてくれた。
ゴーストシップはバイオハザード第一作目と同じ年に公開されている。やはりバイオハザードのインパクトに、この年のホラーは苦戦したろうなという気がする。
自分にとってはこれもまた、人生で見逃さないでよかった映画といえるかもしれない。