もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

2023-01-01から1年間の記事一覧

ロンドン塔の幽霊アン・ブーリンのことを知る「ブーリン姉妹」

歴史的心霊スポットというと必ず出てくるのがロンドン塔。多くの有名人が幽閉されたり処刑されたりしているが、その中でもこちらも必ず出てくるアン・ブーリン。 ここで処刑された女性は多いが、彼女が有名なのは王妃にのぼりつめるまでのしたたかさと、何よ…

かわいいクマとクリスティーの共通点は「パディントン」

パディントンというのが、駅名とは最近まで知らなかった。女王陛下とお茶したあのかわいいクマさんのお名前なんだと、ずっと思っていた。なんせ本も読んだことなかったんで。 パディントン発4時50分 (クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー,松下 祥子…

理科実験的グロテスク「インビジブル」

随分前になるけど、この映画やたらテレビでやっていた記憶があり、何回も見たのだけど、改めてDVDで見てみるとけっこうグロテスクだったんだ。 題名はインビジブルではなく、ずばり“透明人間”だったような。 インビジブル (字幕版) Gary Hecker Amazon ケビ…

昭和の事件を平成の記者たちが取材した名著を令和に読む「未解決事件 グリコ・森永事件捜査員300人の証言」

グリコ森永事件をテーマにした「罪の声」は以前から気になっていたが、フィクションだしなあ、と思って読んでいなかった。 で、このあいだ古本屋で見つけてようやく読んで、けっこう面白く、映画もみていると、どこまでがフィクションでどこまでが事実だった…

ホラーやバイオレンス好きを楽しませてくれるサンタクロース登場「バイオレント・ナイト」

クリスマスを舞台にした映画はいっぱいあって、自分にとってはケーキよりもツリーよりも、クリスマス気分に浸るには欠かせないアイテムなのだが、あまり心優しいファンタジーは逆に見ない。 ホラーだったりアクションだったりの要素は不可欠。せいぜい寛大に…

チェンジリングとオーメンを合体させたような内容かと思いきや「クワイエットボーイ」

オーメンとチェンジリングを合体させたような内容なのかと思っていたけど――。 クワイエット・ボーイ(字幕版) アレッサンドロ・コラービ Amazon 大人が化物の扮装して子供たちを驚かす祭り。なまはげみたいなものに見えるが、神様の使者であるなまはげと違い…

ニコラス・ケイジそのものがコメディでホラー「ウィリーズ・ワンダーランド」

ニコラス・ケイジがいないと成り立たないといっても過言ではないB級コメディホラー。 ウィリーズ・ワンダーランド [DVD] ニコラス・ケイジ Amazon コメディなのにゲラゲラ笑う場面とか、そんなに無い。でも設定自体がおかしいのと、何よりニコラス・ケイジの…

ブラックなどんでん返しがクセになる「#真相をお話しします」

私たちの「今」に向かって強烈な皮肉をこめた読む人を選ぶであろうミステリー短編。 #真相をお話しします 作者:結城真一郎 新潮社 Amazon 「マッチングアプリ」「リモート飲み会」「YouTuber」などを題材にしているので、おじさんおばさん、加えてじーさん…

気軽にネットで見れる楽しさと怖さ「夜の訪問者」「カウントダウン」

イギリスの有名な傑作戯曲で、何度も映像化されている名作。 夜の来訪者(字幕版) デヴィッド・シューリス Amazon サスペンスとは言え、けっこう文学っぽい雰囲気漂う古典的作品なので、なかなか見る機会もなく、気合をいれて見よう!という気も起らない。無…

子供たちが活躍するミステリーって確かに面白かった「ロンドン・アイの謎」

子供たちが活躍するミステリーってこんなに面白かったなあ、というのを再認識させてくれる本だった。 ロンドン・アイの謎 作者:シヴォーン・ダウド 東京創元社 Amazon 12歳の少年テッドがパパ・ママ・姉のカットと暮らす家に、ある日叔母さんと従兄のサリム…

誰もが善人でもなく悪人でもない奇妙な事件「インサイド・マン」

立てこもった強盗と警察の心理戦が展開される映画は、どちら側にスターがいるかによって、展開や結末が違ってくる。 インサイド・マン [DVD] デンゼル・ワシントン Amazon 警察側にデンゼル・ワシントンがいる以上、結果的には警察側の勝利になるんだろうと思…

タランティーノの問答無用のストーリー展開「ヘイトフル8」

タランティーノの映画は、いつものことだけどちょっとしたゾンビ映画よりも凄まじい。絶対ご飯食べながら見れません。 ヘイトフル・エイト(字幕版) サミュエル・L・ジャクソン Amazon 密室殺人みたいな宣伝文句だったので、本格謎解きっぽい内容なのかなと…

歌わない踊らない2時間無いインド映画「インド・オブ・ザ・デッド」

前からずーと気になっていたゾンビ映画、ようやく見ました。 インド・オブ・ザ・デッド [DVD] サイフ・アリー・カーン Amazon インド映画のネックは恐ろしく長い上映時間という点だが、これは2時間無いということで、昼飯食いながら見たんだけど、昼飯食いな…

冒険ものみたいな題名の山田流で描かれた地味な時代の個性派キャラ「室町少年倶楽部」

京都で言う〝戦前〟と〝戦後〟は太平洋戦争以外にもあり、それは「応仁の乱」というのはどっかで聞いた話だが、それほど京都という場所をめちゃくちゃにした京都最大の戦乱の1つ。 とはいえ歴史好きでも、どんな戦いだったかというと意外と説明しにくい複雑…

「ラリー スマホの中に棲むモノ」はいろいろと辛辣な子育てホラー

Netflixで配信されていたので、さっそく見ました。どっちかっていうと、「スケアリーストーリーズ」の中の1つに入っていそうな物語。 ラリー スマホの中に棲むモノ (字幕版) ギリアン・ジェイコブス Amazon スマホの中に棲んでいる友達がほしい孤独な化物。…

一番近未来なSFかも「ミッション8ミニッツ」

始め「ハッピーデスデイ」と「トレインミッション」を合体させたようなSFかなと思って見ていたが、話しはなかなか複雑だった。 ミッション:8ミニッツ [DVD] ジェイク・ギレンホール Amazon いきなり電車の中で目覚めた、というより我に返った男に、目の前に…

つい聞き入ってしまい結果見入ってしまった映画「12人の優しい日本人」

正直、三谷幸喜の映画はほとんど見たことがなかった。ドラマはほぼ全部楽しませてもらっているが。きっとそういう人少なくないだろう。 12人の優しい日本人【HDリマスター版】 [DVD] 塩見三省 Amazon 家族がこの映画をDVDで見始めたその同じ部屋で、自分は…

新しいタイプの読者への挑戦「ポピーのためにできること」

分厚い文庫を手に取って「ヒマかかりそうだな」と思ったけど、杞憂に終わる。あっという間に読めた。 ポピーのためにできること (集英社文庫) 作者:ジャニス・ハレット 集英社 Amazon もちろん面白いというのが第一なのだが、この小説はすべてがメールのテキ…

見たいのはここ!「美女と野獣」と「シンデレラ」

お話も知ってるし、アニメ版も見たし、ディズニーアニメの実写版で求めるものは驚きとスッキリ感。そしてみたい場面は決まっている! 美女と野獣 MovieNEX(実写版) [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray] エマ・ワトソ…

すさまじい勢いで読んだ面白さ「裏切り」

凝りすぎる題名は嫌だけど、こちらはもう少し凝った方が良いんじゃないかと言いたくなる愛想のない題名。 裏切り 上 (創元推理文庫) 作者:シャルロッテ・リンク 東京創元社 Amazon そう思ってしまうほど、題名の愛想の無さとは裏腹に面白かったのだ。怒涛の…

サービスエリアから忽然と消えた彼女「ザ・バニシング 消失」

めずらしいオランダ映画のサイコサスペンス。 【メーカー特典あり】ザ・バニシング - 消失-(メーカー特典:メモ帳付き) [DVD] ベルナール・ピエール・ドナデュー Amazon キューブリック監督が最も恐ろしいと絶賛した映画。サービスエリアで飲み物を買いにいっ…

ようやく見れた渋時代劇「闇の歯車」

ずっと見たくて探していた「闇の歯車」ようやく見つけた。 闇の歯車 [DVD] 瑛太(永山瑛太) Amazon 原作は読んでいないのだけど、サスペンス時代劇ということで面白そうだと思っていた。時代物って面白いものはほんとに面白いので。 橋爪功演じる伊兵衛が、…

かつての名作をもう一回読みたくなる「硝子の塔の殺人」

ミステリー好きのための、新本格好きのための――という触れ込みで評価も高い。これは面白そうだってことで読んでみた。 硝子の塔の殺人 作者:知念 実希人 実業之日本社 Amazon ミステリ好きの大富豪が建てた硝子の塔。そこにさまざまな職業のクセの強いメンバ…

だるまさんが転んだ的怖さ「ライト/オフ」

随分前に見たんだけど、冒頭部分しか覚えていないので再見。それほど冒頭のインパクトが強かったということだ。 ライト/オフ(字幕版) テリーサ・パーマー Amazon ライトを消すと暗がりに何かいる。あれっと思ってライトをつけると何もいない。もう一度消すと…

カメラの向こうの気持ち悪さ「クリープ」

日本での劇場公開はなく、ネットフリックスで配信されている映画。 映像作家のアーロンは、報酬のいいビデオ撮影の依頼を引き受け、山の中の別荘へと向かう。そこにはジョセフと名乗る男が一人で待っていた。 口が動く リアル 狼 アニマルマスク 口と連動 毛…

そんなにアホだと知らなかった「ダチョウはアホだが役に立つ」

面白いのであっという間に読んでしまいました。 ダチョウはアホだが役に立つ (幻冬舎単行本) 作者:塚本康浩 幻冬舎 Amazon この先生テレビに何度も出ていらっしゃるそうなんだけど、知りませんでした。テレビあんまり見ないので。 本屋さんで題名の面白さが…

サスペンスかホラーかラストが楽しみな「ゲスト」

韓国の古典怪談「箪笥」のハリウッドリメイク。オリジナルを見ていないので、比べることはできないが、あまり期待していなかった分面白かった。 ゲスト (字幕版) エミリー・ブラウニング Amazon 主人公のアナが精神病院から退院するところから始まる。彼女は…

役者さんたちの迫力とリアルな不気味さに今みるとけっこう怖い「八つ墓村」

何度か見たことがあって、すごい人たちが出演しているのは覚えてたけど、今回十数年ぶりに見て、双子の老婆の片方が市原悦子さんだと気づいて驚いた。なんか聞いたことあるぞこの婆さんの声と思ったら、そうだった。やっぱり違うわ、うまいわ。 八つ墓村 萩…

ヨシタケさんの空想・妄想が楽しい「あるかしら書店」

ヨシタケシンスケさんの本を初めて見たのは何かの展覧会だった。もちろん絵本がらみの展覧会だったと思うけど、なんてかわいらしい人物たち…と動揺してしまった。 なんで動揺したのかというと、この先この作者の本を買いあさりそうな自分が見えたから…。絵本…

お待ちしてましたナイブズアウト続編「グラスオニオン」

ナイブズアウトの続編を待ち望んでいたので、ワクワク状態の視聴。 「面白い」という感想も聞いていたので、早く見たかったのだが、年末からなかなか余裕の持てる2時間が作れなくて、先日ようやく鑑賞にこぎつけた。 写真ダニエル・クレイグ サイン入り サイ…