もくれんの映画と読書日記

趣味のかたよった読書と映画鑑賞の日記です。

だるまさんが転んだ的怖さ「ライト/オフ」

随分前に見たんだけど、冒頭部分しか覚えていないので再見。それほど冒頭のインパクトが強かったということだ。 ライト/オフ(字幕版) テリーサ・パーマー Amazon ライトを消すと暗がりに何かいる。あれっと思ってライトをつけると何もいない。もう一度消すと…

カメラの向こうの気持ち悪さ「クリープ」

日本での劇場公開はなく、ネットフリックスで配信されている映画。 映像作家のアーロンは、報酬のいいビデオ撮影の依頼を引き受け、山の中の別荘へと向かう。そこにはジョセフと名乗る男が一人で待っていた。 口が動く リアル 狼 アニマルマスク 口と連動 毛…

そんなにアホだと知らなかった「ダチョウはアホだが役に立つ」

面白いのであっという間に読んでしまいました。 ダチョウはアホだが役に立つ (幻冬舎単行本) 作者:塚本康浩 幻冬舎 Amazon この先生テレビに何度も出ていらっしゃるそうなんだけど、知りませんでした。テレビあんまり見ないので。 本屋さんで題名の面白さが…

サスペンスかホラーかラストが楽しみな「ゲスト」

韓国の古典怪談「箪笥」のハリウッドリメイク。オリジナルを見ていないので、比べることはできないが、あまり期待していなかった分面白かった。 ゲスト (字幕版) エミリー・ブラウニング Amazon 主人公のアナが精神病院から退院するところから始まる。彼女は…

役者さんたちの迫力とリアルな不気味さに今みるとけっこう怖い「八つ墓村」

何度か見たことがあって、すごい人たちが出演しているのは覚えてたけど、今回十数年ぶりに見て、双子の老婆の片方が市原悦子さんだと気づいて驚いた。なんか聞いたことあるぞこの婆さんの声と思ったら、そうだった。やっぱり違うわ、うまいわ。 八つ墓村 萩…

ヨシタケさんの空想・妄想が楽しい「あるかしら書店」

ヨシタケシンスケさんの本を初めて見たのは何かの展覧会だった。もちろん絵本がらみの展覧会だったと思うけど、なんてかわいらしい人物たち…と動揺してしまった。 なんで動揺したのかというと、この先この作者の本を買いあさりそうな自分が見えたから…。絵本…

お待ちしてましたナイブズアウト続編「グラスオニオン」

ナイブズアウトの続編を待ち望んでいたので、ワクワク状態の視聴。 「面白い」という感想も聞いていたので、早く見たかったのだが、年末からなかなか余裕の持てる2時間が作れなくて、先日ようやく鑑賞にこぎつけた。 写真ダニエル・クレイグ サイン入り サイ…

いろんな意味で引っ越しが慎重になる日常系ミステリー「Iの悲劇」

題名だけで、怪しい密室殺人の本格推理小説と勝手に思いこんでいた。実は日常系の連作短編小説でした。 Iの悲劇 (文春文庫) 作者:米澤 穂信 文藝春秋 Amazon 「Iの悲劇」の I は、Iターンのことで、6年前に廃村となった集落に、新しい住人を呼び込み村を甦…

探検と怪奇現象を楽しめるタイトルに合わない贅沢B級ホラー「地下に潜む怪人」

まるで少年探偵団の題名のようなタイトル。このタイトルを真に受けて地下にどんな怪人が潜んでいるんだと期待する人は見ない方がいい。特に怪人なんていないから。 地下に潜む怪人 [DVD] パーディタ・ウィークス Amazon B級ホラーとはいえ、原題が凝っていて…

これぞアメリカ!の出来すぎストーリーカーアクション「アンビュランス」

ザ・アメリカ映画!!を存分に楽しませてくれるマイケル・ベイ監督のカーアクション。 アンビュランス(字幕版) ジェイク・ギレンホール Amazon アフガンの帰還兵ウィルは、妻の病の莫大な治療費に奔走するが、どうしても集まらず、血のつながらない兄ダニー…

解かれないために作られた難解暗号ミステリー「敗北への凱旋」

子供の頃、怪人四十面相で黄金髑髏の暗号に出会って以来、暗号ミステリーには目がないが、日本で最も難解な暗号の1つと言われているこちらの名作に挑んでみた。 敗北への凱旋 (創元推理文庫) 作者:連城 三紀彦 東京創元社 Amazon 挑むも何も、いつも暗号ミス…

赤黒さの不気味なインパクト「ブラック・フォン」

不気味な風船、黄色いレインコート、自転車――これは『it』のオマージュかと思っていたら、原作はスティーブン・キングの息子さんジョー・ヒル原作。まあ、映画になると関係ないのだけど、ストーリーや雰囲気やいろんなもの含めて多分にitだなあ。 ブラック・…

正義やらカッコよさやら全然ないけど笑えるステイサム

冒頭いきなり瀕死の状態のステイサム。なんと気絶している間に毒を注射され、死ぬ寸前だった。 彼が生き残る方法はただ一つ、アドレナリンを出し続けること!冗談みたいな宣伝文句に引きよせられて、笑わせていただこうと視聴しました。 アドレナリン(字幕版…

なんでこれ見てなかったんだろ…獣拳がカッコいい「拳精」

ジャッキーチェンの映画はもうたいがい網羅したかと思っていたが、まだ見てないのがあった。 拳精 デジタル・リマスター版 [DVD] ジャッキー・チェン Amazon 1978年制作の映画で、まだジャッキーが若くてかわいい。酔拳や笑拳の後ということだが、なんで見て…

積読の中から一冊!87分署の刑事さんたちと久々に「電話魔」で再会

ずーと昔、まだ警察小説というものをさほど読んだことがなかった頃、気に入ってしまった87分署シリーズ。 「警官嫌い」にすっかり感動し、以後何作か読んだ。で、読もうと思い買ったまま積読されたまま年月が過ぎた本もいくつか。その中の「電話魔」で、87分…

今読むとものすごくリアルだ「戦場のコックたち」は

今読むとものすごくリアルだ。 戦場のコックたち (創元推理文庫) 作者:深緑 野分 東京創元社 Amazon 歴史ミステリーが好きなので、これもまた太平洋戦争を舞台にした連作ミステリーという形だけど、いくつものレビューにもあったとおりミステリー要素は薄い…

映画より実話の方に興味がいった「ディアトロフ・インシデント」

実際に起きた謎の事件をベースにしたホラー映画。始めはこの事件そのものをホラー仕立てに描いているのかと思ってたんだけど、違ってた。それはそれで面白かったけど。 ディアトロフ・インシデント [DVD] ホリー・ゴス Amazon 1959年、まだロシアがソビエト…

「鑑定士と顔のない依頼人」でミステリーを楽しみながらいろんなことを考えた

ミステリー・どんでん返しとして評価の高いこの作品。見たとたん、「誰だっけえー?絶対知ってる」と主人公のおじさんを確認したところ、「あー、バルボッサあ!」そうでした。ジャック・スパロウの宿敵バルボッサ船長。ちなみにパイレーツオブカリビアンは…

カテゴリーはホラーになっているけれど「ずっとお城で暮らしてる」

まさにに題名どおり、ずっとお城のような邸宅で暮らしている少女のお話。彼女メリキャットの視点から物語は語られていく。 ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫) 作者:シャーリイ・ジャクスン 東京創元社 Amazon 冒頭買い出しに町に出かけたメリキャットは…

すごい出演者の顔ぶれで驚いた「ヴィレッジ」

ここんとこナイトシャマランづいていて、こちらも見たことなかったホラーサスペンス。 ヴィレッジ [DVD] ホアキン・フェニックス Amazon 年とると、2000年以後の映画は新しい映画と脳が勝手にインプットしているが、2004年制作とはいえ、18年も前の映画だ。 …

籠城ミステリーがすごく斬新「黒牢城」

この小説の中で、討ち取った首を綺麗にしてあげるという女たちの役目が出てくるのだけど、ふと、谷崎潤一郎の「武州公秘話」を思い出した。 黒牢城 (角川書店単行本) 作者:米澤 穂信 KADOKAWA Amazon 首に化粧をほどこすというのを初めて知ったのが、その小…

軽いイラつきを覚えながら旅に出たくなる「ホテル・ピーベリー」

最近読んだ本が立て続けに自分にとってハズレばっかりだったので、本屋さんで見かけた間違いない作者の本を手にとった。 ホテル・ピーベリー<新装版> (双葉文庫) 作者:近藤史恵 双葉社 Amazon 近藤史恵さんの作品は、やはりビストロシリーズが一番好きで、…

襲われる怖さより逃れられない怖さの民俗学的台湾ホラー「呪詛」

アジアのこういう部分好きやなあ 台湾古代色釉薬師仏像タントリック色釉薬師広如来薬剤師仏家祀られた装飾品 SUPERHUA Amazon ネットフリックス配信の話題の台湾ホラー映画、ようやく見た。最強ホラーという前評判がすごかったが、先に見た娘が「怖いけど、…

謎と不気味さ漂う美しさ「ピクニックatハンギングロック」

50年以上前に制作された美しい映画。1900年のオーストラリアで、実際に起こった謎の怪事件をテーマにした物語。 ピクニック at ハンギングロック(字幕版) レイチェル・ロバーツ Amazon 著名人に聞く好きな映画という企画などで、けっこう出てくる率の多い映…

絶妙にダサくておしゃれなママ友サスペンス「シンプル・フェイバー」

10足セットの安売り動物柄靴下をはいて、セこく生活しているステファニーは旦那と死別し保険金で暮らしているシングルマザー。 華やかなファッション業界で働き、作家の夫と仲良く暮らすセレブな女性エミリー。普通なら関わることもない二人が、ママ友として…

「オールド」は切ない系の恐ろしいホラー

なんとも切なく恐ろしいホラーです。 オールド [DVD] ガエル・ガルシア・ベルナル Amazon 美しいビーチで楽しい時間を過ごすはずだったカップルやファミリーたち。しかし偶然流れついた一体の死体から、恐怖の時間が流れ出す。 浜辺には死体の女性の恋人と思…

主人公のまっすぐぶりが可愛い「自由研究には向かない殺人」

ミステリー小説も行きつくとこまでいった感じがする、もうどんな事件もネットが解決しそうだ、みたいなことを以前誰かと話したことがあるんだけど、まさにそれをイギリスの女子高生ピップがやってのけてしまった。 自由研究には向かない殺人 (創元推理文庫) …

凄惨なストーリーなのに毒々しいおしゃれさとカラフルさ「プロミシング・ヤング・ウーマン」

もうちょっと美形な女優さんだったらよかったのになあ~といきなり思った。そうしたらもっと主人公のキャシーに狂った感がプラスされてたのに。 見ている間にすぐにその考えは変わった。というのも、このストーリーは狂気なお話ではなく、ものすごく真面目な…

お父ちゃんたちが強すぎる壮絶アクション映画4本

“お父さん” じゃなくて、お父ちゃん”” と、あえて呼びたい。その方が普通のおっちゃんぽい。でも実は全然普通のおっちゃんじゃなかったお父ちゃんたちの活躍する映画を拾ってみた。 「96時間」 96時間 (字幕版) Liam Neeson Amazon 前回記事でも書いた映画。…

「真実の行方」は真相がわかってくればくるほど惹きこまれる

人の顔を覚えるのがすごく苦手な方なので、役者さんの顔もなかなか覚えない。すっごく個性的な顔してるのに、どうしても覚えられない人もいて、その中の1人がエドワード・ノートンだ。 「真実の行方」は、文学のような題名と2時間超える上映時間で、面白いと…